「3つ目は『サステナブルな時計製造環境』。水力、風力、太陽光発電など自然エネルギーだけを使った時計作りを目指して欲しいです。それが今すぐ難しいのであれば、そういったことが可能な街作りを始めるくらいの感覚でいて欲しい。やや壮大ですが、日本で実現すればすごいことですよ。最後、4つ目は『価格は今より上げて良い』。GSは最近になって100万円台の時計を販売していますが、数年前までは品質に対して価格が安過ぎるという印象でした。現在もスイスちのブランドに比べればまだまだお値打ですが、『お値打ちだからGSを買う』というような勝負はして欲しくないです。日本では値上げに対して厳しい反応を示されるでしょうが、そこを恐れず、品質に見合った価格設定をして欲しい。その分、職員や職人さんの給料に還元して、更により良い時計を作り出すという循環ができればいいなと思います」。
短い年数で濃密な技術革新を起こしてきたGS。「過小評価されている」という現状を打破し、今後の更なる飛躍に期待したいところです。
(ラジオ関西Podcast『やさしい腕時計』 #18『「グランドセイコー」と「セイコー」って、何が違うの?』より)