兵庫県豊岡市の芸術文化観光専門職大学の学生に、JA共済連兵庫から地元・兵庫県但馬産コシヒカリ「コウノトリ育むお米」200キログラムが贈られた。
劇作家の平田オリザ氏が学長を務める芸術文化観光専門職大学は、2021年4月に開学し、今年9月に開催された「豊岡演劇祭2022」では学生たちが運営スタッフとして活躍した。
1年次は全寮制のため、全国から集まった1年生83人は全員学生寮での自炊生活を送っているが、新型コロナウイルス感染症の影響でアルバイトにも制約を受けているうえ、昨今の値上げラッシュで厳しい生活を送っている学生も多い。このためJA共済連兵庫では、地元産のおいしいお米を食べて元気に学生生活を送ってほしいと、昨年に続いて学生に地産米「コウノトリ育むお米」(2キログラム×100袋)を寄贈することにした。お米は寮に住む学生全員に配られる。
コウノトリの野生復帰に取り組む、豊岡市。すでに野生のコウノトリは300羽を超えているが、野生のコウノトリが生きるためには、カエルやドジョウなどコウノトリのエサとなる生き物が育つ環境が不可欠となる。「コウノトリ育む農法」では、秋には田んぼに住む生き物のために、堆肥や米ぬかなどを散布し、冬も田んぼに水を張って生命を育んで無農薬・減農薬での米づくりを可能にしている。「農薬に頼らない強い米づくり」の知恵と工夫を凝らして栽培・収穫されたコシヒカリは、「コウノトリ育むお米」としてブランド化され、人気を集めている。「やわらかく粘りが強い」という特長があり、時間が経っても食味の変化がほとんどないことも魅力だという。
10月28日の贈呈式で平田学長は「『食』は但馬の観光のキーコンテンツ。今後、当大学でも『食と観光』には力を入れていきたいと考えている。そのためには、学生自身が但馬の食に触れて『これを全国、世界の人に食べに来てもらいたい』と実感しないといけない。学生たちは外食の機会も少ないので、これを但馬の食に触れるきっかけにしてもらいたい」とあいさつ。