10月、小野さんが京都・祇園のレストラン「キエフ」で開いた報告会に、西ウクライナ出身の女性が参加した。彼女は来日して11年、日本企業に勤める。コロナ禍で3年前から帰国していない。
日本のメディアを通して戦況を見つめる中、多くの子どもたちが犠牲になっていることが何よりもつらい。「子どもたちという、ウクライナの将来そのものが奪われてしまった。ただ、ロシアによる軍事侵攻の終結が、平和を意味するのではない。私は侵攻という言葉を使わず、あえて戦争と表現している」と話す。 そして、「2014年2月20日の“クリミア危機”から、ウクライナの時間は止まった。祖国が消滅しないよう、戦わなければならない。ウクライナは生き続けると信じている」と力を込めた。
そして避難者が置かれている状況について「多くの国外避難者が今、ウクライナへ帰ることを切望している。それは、単に文化や生活リズムの違いよりも、『愛国心』が勝っているということ。たくさんの支援をいただいた日本には感謝の気持ちでいっぱいだが、ウクライナ人にとって、やはりもう一度故郷の風景を見たいはず」と話した。
ロシアによるウクライナにへの軍事侵攻が長引く。いったん国外に避難したウクライナ人が次々と母国へ帰っている。戦禍に苦しむ多くの国内避難者が、見えぬ将来に不安な日々を過ごしている。
「君死にたまふことなかれ」~100年前に日本で詠まれた詩、いつの世も、いかなる国でも思いは変わらない。
日本ウクライナ文化交流協会では、西ウクライナでの避難所開発費や維持費の寄付を募っている。
■銀行口座 三井住友銀行・八尾支店 普通 2012746
■名義 日本ウクライナ文化交流協会