新型コロナウイルス感染拡大は10代の高校生にとって、改めて「生命」や「生きる力」について考えさせられる機会となった。高校生たちの多くは、FOPという言葉自体を知らなかったが、15年もの間、難病と闘う育海さんと会い、力強さを感じた。高校生たちは「もし、自分が同じ境遇だったら、育海さんのように前向きになれただろうか」と話す。治療法が見つからない不安な日々、自分のことだけでなく、難病と闘うすべての人のことも考えて勇敢に立ち向かう育海さんの心の強さに感銘を受けた。
そして、「募金活動は、寄付金を募るクラウドファンディングや、影響力のある人物・インフルエンサーによる行動とは異なり、ひとりひとりに訴えかけることで、FOPを知ってもらい、難病と闘うすべての人たちが、治療に向けて希望の光を見出すことが出来たら」「明石市内だけではなく近隣の神戸、大阪にもこの輪が広がるように」と決意を新たにした。
■2022年、「193(いくみ)募金」に賛同、参加予定の高校
兵庫~明石商業高、明石高、明石北高、明石城西高、明石南高、明石西高、明石清水高(以上明石市)須磨学園高、神戸常盤女子高、職業訓練校カレッジ・アンコラージュ(神戸市)、県立芦屋高(芦屋市)、仁川学院高(西宮市)、県立尼崎小田高(尼崎市)
大阪~賢明学院高(堺市)、四天王寺東高(藤井寺市)
育海さんらは、引き続き寄付を募っている。
■「193(いくみ)募金」 神戸信用金庫・魚住駅前支店 普通0091286 口座名義「エフオーピーアカシ(FOP明石)」
《進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressiva: FOP)》
幼少期から全身の骨格筋や筋膜、腱、靭帯などが徐々に硬くなって骨に変わり、このため手足の関節の動く範囲(可動域)が狭くなったり、背中が変形したりする疾患。特徴として、生まれつき足の親指が短く曲がっていることが多いという特徴がある。有病率は200万人に1人とされている。 これまでのところ、この疾患に対し有効性が証明された治療法はない。