■初めて文字をかたどった「世相サンタ」
1年間の話題をサンタクロース人形で表現する恒例の「世相サンタ」が17日、神戸・北野の異人館「うろこの家」で公開された。
今年(2022年)は、 防弾チョッキを着てヘルメットをかぶったサンタが、とんがり屋根に登り、腕や脚を使って漢字の「命」の1文字を表現している。
うろこの家は、ドイツ人・ハリヤ―氏の住居。大正時代に神戸・旧居留地から北野町に移築され「旧ハリヤ―邸」と呼ばれる。
サンタクロースのデコレーションが始まったのは2004年。2009年からは「世相サンタクロース」が登場、その年の話題を表現するようになった。サンタが文字を形どるのは初めて。
2022年の世相サンタクロースは体長約3m。素材は発砲スチロール。水をはじく撥水性の水性絵具を使用している。
2022年はロシアによるウクライナへの軍事侵攻(2月)、北海道・知床沖遊覧船沈没事故(4月)、安倍晋三元首相銃撃事件(7月)、韓国・梨泰院(イテウォン)圧死事故(10月)、それにさまざまな自然災害と、多くの人々が犠牲になる事件や事故が相次いだ。異人館うろこの家グループ企画・広報ディレクターの崎原朝香さんは「改めて『命』の尊さを考えてほしいとの思いで、これまでにない、文字を形どるスタイルにした」と話す。
■ゼレンスキーとプーチンが肩を組み…
そして、屋根には故・エリザベスイギリス女王、バイデン(アメリカ)、ゼレンスキー(ウクライナ)、プーチン・(ロシア)の各大統領などが寄り添い、世界平和を願う気持ちを表した。
サンタの左側には、26年ぶりプロ野球日本一のオリックス・杉本雄太郎選手(愛称「ラオウ」)、ダンス姿のフィンランドのサンナ・マリン首相らが歓喜のポーズを取る。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、サンタは“リモート出演”のスタイルにして、衣装は医療従事者への感謝を表す青いガウン姿。2021年は、アメリカ・大リーグで活躍した大谷翔平選手にちなみ、球場内で配布された「顔だらけTシャツ」を着たサンタが、とんがり屋根に座って両手で「1番」のポーズをした。
世相サンタはクリスマスの12月25日まで公開される。「うろこの家」営業時間は10時~17時。