使いみちがよく分からず、研究者が首をひねる出土品ばかりを集めた特別展「また!ナニこれ?」が、10月1日(土)から11月30日(水)までの期間、奈良市埋蔵文化財調査センターにて開催中(11月19、20日を除く土日祝は開催なし)です。 一昨年には同様の展示会の第1回が開催され、同館での展示会において最多来場者数を記録するなど大人気イベントとなりました。
展示品として並ぶのは、男性の顔や名前が書かれた51枚の木片が8枚ずつにまとめられている「束ねられたヒトガタ」や、大阪産と奈良産で体格や形に差がある「犬型の土製品」など、見た目だけでは使用目的が想像しがたいものばかり。奈良県内外問わず、「シュールすぎて気になる」「勉強にはならないけどおもしろい」と話題を呼んでいます。
館内には、訪れた人が出土品に対する独自の解釈を付せんに書いて貼りつけるコーナーもあり、なかには、研究者の人ですら「その発想はなかった!」と驚く発想もあるのだそう。
シュールで不思議な、思わず「ナニこれ?」と言葉が出てしまう展示会とは、一体どのような催しなのでしょうか? 奈良市埋蔵文化財調査センターで展示担当を務める原田さんに話を聞きました。
――用途不明出土品展「ナニこれ?」開催のきっかけは?
【原田さん】 きっかけは、私の「用途不明出土品が好き!」という気持ちからです(笑)。謎が多く、不思議な魅力のある使い道がわからないものたち。第1回目は、平城京で出土されたもののうち、奈良時代につくられたもののみを出品いたしました。その数なんと260点。本当は、縄文時代から江戸時代のものまですべて発表したかったのですが……。あまりにも数が多すぎるとのことで、時代を絞っての開催となりました。
――第2回となる「また!ナニこれ?」展。続編を開催した理由とは?
【原田さん】 第1回で出せなかったものを展示したかった、というのが1番の理由です。たとえば、SNSなどでも特に反響のあった「壺の中に密封されたヒトガタ」の展示は前回2点しかありませんでした。しかし、今回は同様のものがなんと37点も! 総展示数も前回より多い310点。今回は奈良時代だけでなく、全時代の出土品が展示されています。
◆令和4年度秋季特別展「また!ナニこれ?」
会場:奈良市埋蔵文化財調査センター 展示室(〒630-8135 奈良県奈良市大安寺西2丁目281)
会期:2022年10月1日(土)~11月30日(水)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
休館日:11月は土・日・祝日休館。ただし、11月3・19・20日は開館。
入館料:無料
問い合わせ:同センター、電話0742-33-1821