「餅まきの聖地」和歌山県 運動会のプログラムにも! カップ麺や鯛まで飛び交う、県民おなじみの風習とは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「餅まきの聖地」和歌山県 運動会のプログラムにも! カップ麺や鯛まで飛び交う、県民おなじみの風習とは

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 さらに、和歌山県では「餅まきピーク」が1年に数回おとずれます。林さんに代表的な時期を教えてもらいました。

「まずは『初午(はつうま)の餅まき』。毎年、旧暦2月最初の“午の日”は、一般的にお稲荷さんの縁日として知られています。しかし、和歌山県では厄年の人が餅まきをして厄払いをする日となり、厄年の人がいる家々をめぐって餅まきをはしごしていきます。また3月末から4月に神社やお寺で行われる『春祭り』や『桜祭り』に合わせ開催される餅まきも有名です。収穫祭である『秋祭り』が開催される時期には、年内で最も多くの餅まきが実施されます」(林さん)

和歌山県では四季を通して「餅まき」が行われる(写真はイメージ)

 県内でも地域によって特徴があります。畳1畳分の大きな餅を落とすようにまく地域、鏡餅大の餅を何十個も投げる地域、餅だけでなくパンやカップラーメンもまく地域、なんと鯛をまく地域もあるのだとか。

「餅まきは地域の人々の協力がなければ続けられません。お米やお金を提供する人、餅つきをする人、『やぐら』を立てて餅まきの準備をする人など役割は多岐にわたります。多くの人が関わる餅まきが盛んなのは、和歌山県自体が今でも人間どうしのつながりが色濃い文化を持つためなのかもしれません」(林さん)

人との関わり合いが今でも密接な和歌山県だからこそ「餅まき文化」が定着したという見解も(写真はイメージ)

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「餅まき」とは単なるお祭り騒ぎではなく、地域で連携が取れていることのあらわれでもあったのですね。2020年のコロナ禍以降、残念ながら縮小せざるを得ない状況にある「餅まき」ですが、早く以前の賑わいを取り戻してほしいものです。

(取材・文=つちだ四郎)

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