筆者は現地応援ツアーに参加し、森崎さんが奮闘する様子を近くで見ていた。着席せず舞台近くまでせり出してくる観客や、審判によって競技前の準備時間がまちまちになるなど、日本の大会とはかなり勝手が違い、難しさがあったことは素人目からも容易に想像できた。
そんな中、ハプニングに即座に対応して部門賞を2つも獲得した森崎さん。決勝を逃した後も落ち込む様子を見せず堂々と振る舞う様子に、こちらのほうが勇気をもらった。
最終日のパーティーのとき、森崎さんは各国の選手や関係者から、次々と写真撮影や握手、サインを求められていた。競技の点数には表れなくても、森崎さんの技術や思いがちゃんと伝わったのだと思うと、胸が熱くなるシーンだった。
こうした競技大会への出場を20代から続けてきた森崎さんにとって、今大会は大きな節目となったはずだ。バーテンダーとしての今後について尋ねると「(大会以外にもやりたいことは色々あるので)どれにしようかな、と考え中です」と茶目っ気たっぷりに語った。
世界大会で部門1位となったカクテル「ビューティフル・ジャーニー」は、SAVOY hommage(神戸・花隈)で飲むことができる。
(取材・文=合楽仁美)