ラジオ関西で放送されている『Clip』(月〜木、午後2時30分~)の人気コーナー「どうぶつ通信」では『淡路ファームパークイングランドの丘』より飼育員の後藤敦さんがゲストで登場し、動物に対するさまざまな疑問に答えていきます。今回もリスナーからさまざまな質問が集まりました!
◆これから寒くなりますが、冬に魅力的な動物を教えてください(ラジオネーム:ちぇりぃさん)
【後藤さん】多くの動物たちには年に数回、“換毛”といって全身の毛が生え変わる時期があります。中でも“夏毛”と“冬毛”で見た目の雰囲気が変わる動物たちは「見比べる」ことができる楽しみがあります。
当園で飼育している動物の中から紹介すると……北米に生息しているオグロプレーリードッグですね! 夏毛のシュッとしたルックスももちろんかわいいのですが、冬毛になるとふっくらまん丸フォルムになって愛らしさたっぷりです。
春に毛刈りをしたヒツジたちの毛もだいぶ伸びてきています。これからの季節は、羊毛をたくわえた見ごたえのある姿に仕上がってきています。
ヒツジの毛をよく観察すると、一本一本が細かく縮れています。縮れた毛の繊維同士が絡むことによって毛と毛の間に空間ができて、空気を包み込むのでとても保温性が高いのです。あまり知られていませんが、彼らの体毛は調湿機能も優れています。湿度の変化に反応して、毛の縮れが伸びたり縮んだりして常に快適な体感湿度になるように調節されるのです。
◆羊は毛刈りをしなかったらどんな状態になるんでしょうか?(ラジオネーム:ひかさん)
【後藤さん】先ほど多くの動物にはあるとお伝えした “換毛”ですが、実はヒツジにはありません。もともとヒツジの祖先には換毛する機能があったと思われますが、ヒツジを家畜として品種改良していく中で、より毛を紡ぎやすくするために換毛する機能は失われ、どんどん伸び続ける性質が備わってきました。
冬は暖かくていいのですが、春を過ぎても毛を刈らないでいると夏場に熱中症を引き起こしたり、病気にかかりやすくなったりします。ですので定期的な毛刈りが必要なんです。