牛乳は、コップ1杯(約200ミリリットル)で1日に必要なカルシウム量の約3分の1がとれるばかりでなく、良質なたんぱく質やビタミン類などたくさんの栄養素がバランスよく含まれています。そんな牛乳を多くの人に飲んでもらうため、酪農家は日々、乳牛を大切に飼養しているのですが、現在、海外から輸入される牛のエサにかかる価格コストの高騰により、これまでに経験したことのない苦境に立たされています。
そこで、ラジオ関西牛乳大使の芥田愛菜美が兵庫県赤穂市の丸尾牧場の牧場主・丸尾建城(まるお・たてき)さんに、酪農家の現状や酪農家だからこそ知る牛乳の特徴・魅力について聞きました。
――「丸尾牧場」はどのような牧場でしょうか?
【丸尾さん】 昭和31年に父親が搾乳牛1頭から牛飼いをはじめ、私も学生の頃から家業の酪農の手伝いをはじめました。現在、丸尾牧場では成牛を140頭ほど飼育しており、その中で牛乳を搾れる搾乳牛は121頭。日によって異なりますが、毎日3.9トンほどの生乳を出荷しています。
――牛乳は時期によって味は変わるものですか?
【丸尾さん】 変わると思いますね。乳牛は暑さに弱いので、夏は通常より水を飲みますし、エサを食べる量が減ります。逆に冬はたくさんエサを食べるので、濃度や旨味が上がると思います。夏はスッキリ飲みやすく、冬はコクが増して飲みごたえがあります。成分無調整牛乳は、農家で搾った乳をそのまま殺菌だけして消費者に届けるので、より感じていただけるかもしれません。
――乳牛1頭につきどれくらいのエサを消費するのでしょうか?
【丸尾さん】 1日に30キロほど食べます。牧草とトウモロコシや麦などの配合飼料を食べさせています。
――エサの価格が高騰しているそうですが、1キログラムの牛乳を搾るのにどの程度の割合の費用がかかるのですか?