【丸尾さん】 7〜8割程度をエサの購入費用が占めています。50年ほど前、私が高校生の頃は3割ほどだったのですが、ここ最近は5割だと良い方です。これにさらに運送費や販売手数料などの経費がかかってくるので、正直赤字です。
140頭の乳牛の世話をするためには、家族だけでは人手が足りないので従業員を雇っているのですが、そこまでお金が回らないため、給料は貯金を崩しながら支払っています。酪農を長年続けてきましたが、これほどたいへんな状況は経験したことがないですね。今年の11月から牛乳の価格も値上げされましたが、それ以上にエサ代が上がっているので変わらず苦しいです。
――丸尾牧場の今後の展望を教えてください。
【丸尾さん】息子が主となってロボット搾乳の導入を進めています。現在建築中で、来年の2月から搾乳をはじめる計画です。15トンの牛乳を絞ることを目標にがんばっています。
――今が一番つらい時期だとおっしゃっていましたが、かなり勇気が必要だったのではないですか?
【丸尾さん】一番つらい時こそ事業を展開していかなければならないと思っています。「今より下はない。あとは上を向くだけ」と思っています。みなさんに栄養豊富な牛乳をたくさん飲んでほしい! この気持ちで私たちもがんばりますので、ぜひ牛乳をもう一杯飲んでいただきたいと思います。