さまざまな要因によって引き起こされる可能性のある脳卒中ですが、飲酒によって発症することもあるのでしょうか? 今回は、リスナーからの質問も多い脳卒中と飲酒の関係性について、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。
――脳卒中とお酒は密接に関係しているのでしょうか?
そうですね。飲酒は脳卒中発症の危険因子にもなりますし、ほどよく飲むのであれば薬にもなります。つまり、飲む量が重要になるのですが、日本酒なら1合、ビールであれば500ミリリットルが適量とされています。
――アルコールを多量に摂取していると脳卒中の発症率が上がるのでしょうか?
はい。アルコールを多く摂取していると発症率も上がります。脳梗塞に関しては、ほどよい量の摂取であれば起こりにくくする作用があります。
――どのような影響を及ぼすのですか?
アルコールを摂取することで血管が開きやすくなり、出血しやすくなります。出血しやすくなるということは、脳出血が増えてしまうことを意味します。そのため、血液をサラサラにする作用のある薬を飲みながらアルコールを多量に摂取するということはちょっと危険ですね。
――「酒は百薬の長」というように、ある程度の量であれば体にも良いのでしょうか?
アルコールを摂取することで血管が詰まりにくくなり、さらに、善玉コレステロールの数値が上がるとも言われています。