工事代金を水増しした請求書を作成し、日立グループの物流会社から現金約3億6千万円を詐取したとして、兵庫県警は7日までに、詐欺容疑で日立物流西日本(本社・大阪市此花区)元社員の男A(48)と、下請けの設備工事会社元社長の男B(50)を逮捕、送検した。
AとBは共謀して2016~20年、駅のホーム柵などの設置工事で、作業員の数を水増しした請求書を提出し、日立物流西日本から代金を詐取した疑いが持たれている。別の詐欺事件を捜査する過程で発覚したという。
Aは「自分から話を持ち掛けたが、詐欺ではなく横領だと思っていた」などと、一部容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、Bは暴力団組員とみられ、約3億6千万円のうち1700万円以上が水増し分と判明。Bから暴力団に流れた可能性もあるとみて資金の流れを調べる。Bが経営していた会社は日立物流西日本の下請け業者だったという。