滋賀県の文化といえば、鎌倉時代からの歴史を持つ「信楽焼」を思い起こす人も多いのでは? 2019年に放送された陶芸家の女性が主人公の朝ドラ『スカーレット』の舞台にもなり、「陶芸」や「やきもの」のイメージが全国に広まりました。
全国屈指の「やきもの産地」を抱える県なら、やはり子どもの頃からやきものや陶芸に慣れ親しんだ生活を送っているのでしょうか……? そんな疑問を抱き、信楽町でやきものや陶芸にまつわる展示・講座を実施している『滋賀県立陶芸の森』(滋賀県甲賀市)に話を聞いてみました。
「滋賀県立陶芸の森 / 世界にひとつの宝物づくり実行委員会で実施している『つちっこプログラム』では、滋賀県内全域への出張授業や来園、制作・見学を受け入れ、陶芸にまつわるイベント・授業をおこなっています」(陶芸の森)
やきもの以外にも、滋賀県内には織物や木工品などそれぞれの地域で独自の産業や伝統工芸があり「学校の体験学習は、地域学習や地場産業と絡めて実施されることが多いため、ほかの伝統工芸にまつわるプログラムを体験する学校もある」とのこと。
楽しみながらやきものに触れられるプログラムが実施されているとはいえ、滋賀県の子どもたち全員が陶芸に触れるというわけではなく、やはり地域差があるそう。
「信楽は『日本六古窯(ろっこよう)』のひとつとして、古くからやきもの文化を発展させてきました。信楽町内の小学校では、全児童が陶芸体験をします。また、地域差はありますが校外学習で『陶芸の森』に制作のため来園したり、信楽町内の陶芸家に講師を依頼し陶芸体験が実施されていると聞いています」(陶芸の森)
前出の「日本六古窯」とは、瀬戸、越前、常滑、丹波、備前、そして信楽を含む6つの地域を指し、日本を代表するやきもの産地を意味します。そんな日本有数のやきもの産地であれば、学校で陶芸のプログラムが組み込まれているのも納得。そもそも、なぜ信楽ではやきものづくりが栄えたのでしょうか。