1車両の乗降扉は片側2か所(通常は3か所が多い)として、転換式のクロスシート(ロマンスシート)を導入、“よそ行き”感と高級志向を追求した。1980年代にはにカード式公衆電話も設置された(京都方面先頭車両)。
ただ2か所の扉では、慢性的にラッシュ時間帯の乗降時間に「ロス」が生じるようになり、後に内装を京町家風にして観光用の快速特急A『京とれいん』に生まれ変わった。
しかし、時代の波はここ数年で一気に押し寄せた。阪急のみならず、全国の鉄道会社が駅にホームドアの設置が急ピッチで進めているが、6300系の扉の位置がホームドアに合わなくなった。阪急の主要3路線(神戸・宝塚・京都各線)が分岐する十三駅を通過するようになったのはこれが理由だった。
6300系はダイヤ改正より一足先の12月11日で特急としての役割を終え、嵐山線の普通車として運用されている。