26人犠牲北新地ビル・放火殺人事件から1年　花束、今もなお「あなたに会いに」「みんな生きたかった」

2022/12/17

　男女26人が犠牲となった2021年12月の大阪・北新地ビル放火殺人事件から17日で1年を迎えた。

男女26人が犠牲になった北新地放火殺人事件の現場ビル＜2022年12月17日午後・大阪市北区曾根崎新地＞

現場検証中のビル4階火はまたたく間にフロア全体を焦がした＜2022年12月20日午前＞

■動機は「拡大自殺」願望

　大阪府警は事件から3か月後の2022年3月16日、現場から心肺停止状態で搬送され死亡した谷本盛雄容疑者（当時61歳）を殺人・現住建造物等放火容疑で書類送検した（のち大阪地検が容疑者死亡につき不起訴に）。生活が困窮し周囲から孤立する中、大勢の人を巻き込む「拡大自殺」を図ったとされている。

大阪府警は谷本容疑者（死亡）が、孤立と絶望の中、大勢の人々を巻き込む「拡大自殺」を図ったとしている

　谷本容疑者は2021年12月17日午前10時15分ごろ、大阪市北区曽根崎新地の雑居ビルに入る心療内科クリニックにガソリンをまいて放火し、院長の男性（当時49歳）ら院内にいた26人を殺害するなどした疑いが持たれている。事件当日は休職した人らの職場復帰をサポートするために集団治療を行う「リワーク・プログラム」の予定があり、多くの利用者が来院していた。

　ビルに入っていた多くのテナントはこの場所から離れ、ビル自体は現在立ち入り禁止になっている。