■「あすも あなたにあいに(会いに)」
そして、「あなたにあいに(会いに)」。この詩は事件発生直後から、現場を訪れた人たちに訴えかける。人々は必ず目にして、心に刻む。
「あの時 あっけなく あの世に逝った あなたを慕い あたし(私)の心は あすも あなたに あいにゆく」。
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■「早く立ち直って、生きたかったはず…」
「事件が起きるまでは、何気なく前を通るだけだったのに、今では毎日ここを通るたびに手を合わせています。亡くなった皆さんは、とても熱くて苦しかったと思います」。3年ほど前から、現場の東側にある繁華街・北新地の飲食店に勤務する20代の女性が話した。
「私も一時期、精神的に疲れてしまって、人と会いたくない、話したくないと思うことがありました。亡くなった方々は放火されたクリニックで『リワーク・プログラム』をしていたんですよね。みんな、早く立ち直って本当に生きたかったに違いないと思います。犯人は死んでしまい、動機も何もわからないまま、忘れ去られてしまうのでしょうか」。女性は火が出た4階部分を見上げた。
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