赤いブーツにお菓子の詰め合わせが入った「クリスマスブーツ」。子どものころ、クリスマスプレゼントとしてもらった思い出のある人も多いのではないでしょうか。
この時期の風物詩ともいえるクリスマスブーツですが、実は滋賀県が発祥といわれており、現在まで約65年間、滋賀県で唯一クリスマスブーツを製造している会社があります。製造のきっかけや時代の変化について、株式会社近商物産で代表取締役社長を務める河田さんと、企画室長の野田さんに話を聞きました。
――製造のきっかけは?
【河田さん】 昭和30年代のことなので、正確な情報を知っている人はいないのですが、一説にはクリスマスツリーのオーナメントから発想を得たと言われています。そのクリスマスブーツにお菓子を入れたら、子どもたちはきっと喜ぶだろうという思いから誕生したと言われています。
――昭和の子どもたちにとってどのような存在だったのでしょうか?
【河田さん】 まだゲームもなかった時代なので、クリスマスブーツは人気の商品でした。スーパーやおもちゃ屋さんの店頭にはたくさん並んでいましたね。
当時は、銀紙で作られた銀ブーツや、靴の先端部分が発泡スチロールで作られたクリスマスブーツなどを製造販売していました。また、昭和の後半ごろにはキャラクターブーツがメインになり、今現在もキャラクターブーツが人気です。
――滋賀県特有のクリスマス文化はありますか?
【野田さん】 近商物産の商品は地域の内職さんに作っていただいていますので、このあたりの方はクリスマスブーツ製作に携わった人が多いですね。
また、近くの西口商店街では近商物産のクリスマスブーツキットを販売しており、デコレーションしたブーツのコンテスト「クリスマスブーツギャラリー」を開催しています。ほかにも、学校の職業体験などで子度も達が我が社を訪れることもあり、クリスマスブーツを作ったことのある子どもが多いのも特徴です。
確かな文献はないのですが、滋賀県では昔から町全体でクリスマスブーツ文化を盛り上げているので、全国に広まったのは弊社の影響が大きいのかなと思います。