11月、私立・四天王寺東高校(大阪府藤井寺市)のランチタイムで、「少しでも役立てれば」との思いで多くの生徒が募金に協力した。
四天王寺東高校・生徒会長の浅井颯太さん(2年・17歳)は、FOPのことををまったく知らなかった。「募金活動をする中、友人たちから『どういう病気なの?』と問われることが多く、自分で調べて、自分の言葉で説明できるようになった」と話す。そして、“友人から友人へ”この難病のことが伝われば、と願う。
12月21日には阪急電鉄・西宮北口駅前(兵庫県西宮市)に育海さんの等身大パネルが登場、私立・仁川学院高校の生徒らが難病研究の重要性を訴えた。
仁川学院高校・生徒会長の榎本日菜さん(2年・17歳)は、初めての募金活動に緊張気味だった。「思いが伝わるだろうか…」。そして、明石市内の高校7校の団結に刺激を受けたという。「育海さんがこうした機会を作って下さった。私たちは治療そのものに関わることはできないが、難病の方々への支援の手助けや、育海さんの思いを受け継ぐことができたら」と話し、人々の反応をダイレクトに感じていた。
育海さんはFOPだけの解決、治療法の発見を望んでいるのではない。すべての難病治療に一筋の光が差してくれたら……その一心だ。「高校生の後輩たちが一生懸命頑張っている姿を見て、自分も頑張って生きなければと思う。関西のみならず全国にこの動きが広まってほしい」と話した。母・智子さんとの二人三脚は続く。
一方、「高校生に負けないよう大人も頑張りたい」と2016年に始めた「193O(いくみおーえん)円募金」の活動も今年で7年目となる。2022年も10月から活動を始め、「いくみ」にちなみ193万円を目標にしている。いずれの募金も、FOPを含めた難病研究のため、全額を京都大学iPS細胞研究所に寄付する。