RYさんは、「どちらも、まさにオーバースペックで実用性はありません。ただ、ロマンに溢れていますよね。こういった挑戦はブランドへの注目を集めるだけでなく、通常の時計にその技術がフィードバックされたりして、時計界全体の活性化に繋がります。こういった挑戦はどんどん続けて欲しいですね」と歓迎する姿勢。防水性能はさらに進化するのか? この争いに追随するブランドは登場するのか? はたまた、舞台が空や陸に移るのか? 2023年以降も、ブランドが威信をかける「技術力勝負」から目が離せません。
◆【1位】約半世紀ぶりにキングセイコーが復活、まさに『王の帰還』だ!
1961年に誕生した「キングセイコー」が、2022年にまさかの復活。「37mmサイズ」という、いわばライバル不在の領域にと切り込んだドレスウォッチです。RYさんは復活の報に触れた時からずっと注目していたようで、「20万円前後とは思えない確かなクオリティーを持った腕時計です。特に、高級時計に興味を持った新規層や、往年のセイコーファンに対する、最高のアプローチではないでしょうか」と評価します。
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RYさんは2023年、腕時計業界に「SDGs」を期待しているとも話します。
「腕時計業界にもサステナブルな取り組みが広がって欲しいです。例えば、ブライトリングでは『トレーサブルウォッチ』と呼ばれる、使われる金やダイヤモンドなどの原産地をはっきりとオーナーに証明する仕組みを取っている腕時計を販売しています。そうすることで、人権侵害や紛争と関係のある貴金属は使っていない、と分かるようになっているんですね。こういった、何かしらのサステナブルな高級腕時計が各社でも販売されて、腕時計を買うことでも環境や人権問題などの解決に繋がるような仕組みが広がっていけば良いな、と思います」
さあ、2023年は腕時計界で何が起こるのでしょうか? 目が離せません!
(ラジオ関西Podcast『やさしい腕時計』 #29『「もはや不要?な防水性能」「伝説のモデルが復活」2022年の腕時計ニュースを振り返り!(Part 2)』より)