2022年11月、3年ぶりに開催された阪神電車のイベント『はんしんまつり2022』。約5000人の鉄道ファンでにぎわう会場で、おおよそ鉄道とは異質のものが販売されていました。「野菜」です。
![「はんしんまつり」での野菜販売の様子(画像提供:阪神電気鉄道株式会社 ・株式会社阪神ステーションネット)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/12/%E3%81%AF%E3%82%93%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%82%8A%E3%80%80%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%BE%8C-1024x773.jpg)
じつは、阪神電車を運行する阪神電気鉄道(本社:大阪市、以下 阪神電鉄)は、野菜事業を展開しています。2012年2月、鉄道路線の高架下有効活用を目的としてスタート。『HANSHIN清らか野菜』というブランドで展開し、まもなく12年目を迎えます。
阪神電鉄の子会社で、野菜事業を運営する阪神ステーションネットの温井見(ぬくいあきら)さんに、“鉄道会社が取り組む野菜事業”について詳しく聞きました。
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温井さんによると、阪神間を走る鉄道3路線(阪神・阪急・JR)の中で、最も積極的に線路の高架化を進めてきたのが阪神電鉄だそう。その中で「阪神電鉄の“安全・安心”のイメージを“食の安全”につなげ、沿線に住む人たちに、農薬を使わずに育てた野菜を食べてもらおう」と考えて野菜事業に着手したのだとか。現在は、同電鉄尼崎車庫からすぐの、尼崎センタープール前駅の高架下に野菜栽培所を設けて育てています。
![野菜栽培所外観(画像提供:阪神電気鉄道株式会社 ・株式会社阪神ステーションネット)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/12/%E6%A0%BD%E5%9F%B9%E6%89%80%E5%A4%96%E8%A6%B3-1024x768.jpg)
スタート当初はグリーンリーフレタスとフリルレタスのみの取り扱いだったのが、2016年にベビーリーフが加わり、現在は3種類が栽培されています。
![現在栽培されている3種の野菜(画像提供:阪神電気鉄道株式会社 ・株式会社阪神ステーションネット)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/01/%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%82%B93%E7%82%B9_Y_kakou1-1024x768.jpg)
方法は「水耕栽培」。温井さんいわく「高架下利用という観点から、太陽光は望めないため人工光で栽培する方法に。かつ、農業では素人である鉄道会社の社員が始めることも考慮した結果、天候に左右されず、一般的な土耕栽培より取り組みやすい『完全人工光型植物工場』(閉鎖された室内で人工光を使う水耕栽培)を採用しました」とのこと。
![水耕栽培の様子(画像提供:阪神電気鉄道株式会社 ・株式会社阪神ステーションネット)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/12/AI_%E7%94%BB%E5%83%8F-1024x768.jpg)
そして、2012年1月に試験栽培所を開設。試行錯誤を経て、2014年3月、現在の栽培所の開設に合わせ、「水の畑でやさしく育った」をキャッチコピーに「HANSHIN清らか野菜」のネーミングで商品化しました。パッケージには兵庫県産であることも明記されています。
![「兵庫県産」を明記(画像提供:阪神電気鉄道株式会社 ・株式会社阪神ステーションネット)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/01/%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E7%94%A3_Y_kakou1.jpg)