中学生人権作文コンテストに向けては、市内の全ての中学校で人権作文の制作に取り組んでいただいています。加えて、「姫路お城まつり」などの地元のお祭りで、中学生に「一日人権擁護委員」として市民パレードに参加してもらったり、人権擁護委員の方に学校で人権教室を開催していただいたりと、幼い頃から人権問題が身近な存在としてあるため、作文も積極的に書くことができるのだと思います。
また、姫路市では、小学生にも人権作文を書いてもらう機会があります。それらの作品を集約して作る人権作品集『生きる』は、2021年度で通巻59号になりました。約60年取り組んでいる歴史があるのです。
このように、人権をテーマにした標語やポスター、作文を毎年書くのが当たり前になってきていることで、(子どもたちの中に)人権文化が醸成されていると考えています。また、これら全てが、自分自身の生活・体験を見直し、その中から自分自身の人権意識や人権感覚を振り返る機会になっているため、人権について自分ごととして考える機会が持てているのではないでしょうか。
――人権教育の歴史があるのですね。今後はどういったものになっていけばいいと思いますか?
【石原さん】 体験したり、感じたりしたことを文章に表すのはいいことだと思っています。また子どもの頃から人権について考え、すべての人に人権があることへの理解を深めて相手の立場を尊重することは、大人になっても役立ちます。変わらず人権について考える機会を作るためにも、全国中学生人権作文コンテストなどに力を入れてほしいですね。
最近はパソコンの普及で、今後実筆で文章を書く機会は減っていくと思いますが、個人的には自分の思いを手書きで書いてほしいと思います。現在、いろいろな方々の視点から作文に点数がつけられているコンテストも審査方法も、毎年検証しています。これからも、良い作品を中播磨から全国に送り出していきたいと思います。
【畑本さん】 全国(選考)まで行った作品は映像化されることもあります。子どもたちも、自分の書いたものが映像や形になっていくのはうれしいと思いますので、チャンスと捉えて取り組んでほしいです。加えて、法務省には、子どもたちにそのようなチャンスを多く与えていただけたらと思います。
映像化された作品は、YouTubeチャンネル「MOJchannel」(法務省の施策などを動画で紹介している)で紹介されています。子どもだけでなく、大人にも勉強になることが多いと思います。