これぞ職人技! 癒やしの「アヒルの練り切り」 和菓子の達人が魂を込めてつくった脱力系作品 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

これぞ職人技! 癒やしの「アヒルの練り切り」 和菓子の達人が魂を込めてつくった脱力系作品

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 栃木県にある和菓子店「紅谷三宅」の店主・三宅正晃さんがTweetした「癒しの練り切り アヒルの楽園」。「脱力感がかわいい」「神業すぎる!」と話題になり、6.8万件もの「いいね」を獲得しました。 こちらの練り切りは、2022年11月23日から4200円にて発売を開始。非常に人気となったため、予約限定で販売されていました。

脱力感が話題となった「癒しの練り切り アヒルの楽園」(提供:紅谷三宅)

 繊細な細工が施されたアヒルたちは木型などを一切使用しておらず、すべて三宅さんの手作りなのだとか! それもそのはず、三宅さんは数々の和菓子コンテストに出場しており、『日本菓子協会 最優秀技術会長賞』『全国菓子研究団体連合会 上生菓子部門グランプリ』『全日本和菓子品評会 最高技術賞』など、これまでに数多くの受賞経験があるそう。

 紅谷三宅では、話題のアヒルはもちろん、クリスマスやお正月、バレンタインなどの季節にちなんだ練り切りも複数販売されています。そこで、大注目の和菓子職人・三宅正晃さんに話を聞きました。

――職人技が光る“練り切りシリーズ”が話題ですが、こだわっている点は?

【三宅さん】 練り切りは見た目に注目されることが多いですが、見た目はあくまでも“きっかけ”にすぎません。こだわりは、やっぱり“味”ですね。作品たちは、どれも「薯蕷(じょうよ)練切」と呼ばれる和菓子。くどさのない上品な甘みと、なめらかなくちどけが特徴の山芋でつくられています。かためにつくることで練り切りは成形しやすくなるのですが、最も優先すべきはおいしさ。そのため、たとえ美しい見た目に仕上げる難易度が大きく上がろうとも、食べたときに最もくちどけのよい柔らかさに調整しています。

――練り切り1つあたりの成形に必要な時間は?

【三宅さん】 まず、あんこをつくるだけで丸一日かかります。その翌日に成形作業となりますが……。たとえば、アヒル1つあたりにかかる時間が2~3分。それを1回でまとめて500個ほどつくることが多いです。色味も、赤・青・黄色の3色の食紅を混ぜて、その都度理想の色をつくっています。つくるのに非常に時間がかかる練り切りですが、満足のいく味と見た目に仕上げるため、一つひとつすべて手作りにこだわりたいですね。

――練り切りづくりを極めようと思ったきっかけや理由は?

【三宅さん】 練り切りは、和菓子の花形。お店に並んでいると最も目をひきます。和菓子には“日常的に食べるもの”というイメージがあまりなく、特に若い人だと「なかなか買わない……」という方も多いのではないでしょうか。そんなイメージを変えるため、「人目をひくような見た目の練り切りをつくりたい!」と思ったのがきっかけです。

 そして、自分自身が動物好きということもあり、「見ているだけで癒やされるような“アホ面”の動物をつくりたい」と考えたときに題材として思いついたのが、今回のアヒルでした。

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