1868年(慶応3年)の開港以来、多様な外国文化を取り入れて独自のスタイルを築いてきた神戸。神戸市内には、 日本書紀に起源が記される神社や、豊臣秀吉も好んだとされる有馬温泉、日本一の酒どころ・灘五郷など、全国的にも知られる名所が多く存在します。
このシリーズでは、神戸市の9区それぞれにある神戸の魅力的なスポットを紹介していきます。第1回は東灘区です。
(1)谷崎潤一郎旧邸「倚松庵」
六甲ライナーの住吉駅と魚崎駅の間に位置するところに、文豪・谷崎潤一郎の旧邸「倚松庵(いしょうあん)」があります。明治時代末期から大正、昭和中期まで執筆活動を続けた谷崎が、1936(昭和11)年から7年間、当時の妻やその妹たちと暮らしました。小説『細雪』の舞台としても知られているこの旧邸は、「阪神間モダニズム」(※1)の特徴がよく表れた昭和初期の典型的な住宅様式で、懐かしさと近代的な雰囲気を兼ね備えており、当時の生活感を垣間見ることができます。
※1 大正から昭和初期に大阪と神戸の間の地域で育まれた近代的芸術や建築、ライフスタイルなど、当地特有の文化。
(2)沢の井
阪神御影(みかげ)駅を降りてすぐの高架下に、「沢の井」と名のついた小さな井戸(泉)があります。駅の高架下にあるには何とも似つかわしくない独特な存在感。神功皇后が三韓征伐から帰国した際、化粧を整えるためこの泉に姿を映したことから「御影」の地名がついたとの伝説が生まれました。また南北朝時代には、この井戸の水で酒を醸して後醍醐天皇に献上したところ、たいそう嘉(よろこ)んでその酒を納めた、との言い伝えもあるのだそう。澄んだ井戸水は神秘的ですらあります。
(3)御影公会堂
阪神石屋川駅の北側、国道2号線沿いには「御影公会堂」が。嘉納治兵衛氏の寄付、清水栄二氏の設計、大林組の施工により、モダニズムを基調に多様な造形表現を取り入れている独創的な意匠の文化施設です。地域の歴史を紹介する「御影郷土資料室」と、柔道の祖として世界的に知られる嘉納治五郎氏の記念コーナーを併設しています。地下にある「御影公会堂食堂」には多くのファンがいて、特にオムライスが絶品とか。お腹を空かせて訪れ、老舗洋食店の味を満喫する人の姿が見られます。
(4)旧乾邸
阪急御影駅から足を延ばすと「旧乾邸」があります。住宅街の中に突如として現れるレトロモダンなたたずまい。乾汽船株式会社を設立した乾新治氏の自宅として、1936(昭和11年)頃に建築された旧乾邸は、洋風を基調としながら巧みに和洋を折衷し、重厚さの中に繊細なデザインを取り込んでいます。
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≪スタンプポイント情報≫
■谷崎潤一郎旧邸「倚松庵」
兵庫県神戸市東灘区住吉東町1丁目6−50
■沢の井(阪神御影駅高架下)
兵庫県神戸市東灘区御影本町4丁目12
■御影公会堂
兵庫県神戸市東灘区御影石町4丁目4−1
■旧乾邸
兵庫県神戸市東灘区住吉山手5丁目1−30