一見、切手のように見える「ブルーチップ」。スーパーマーケットをはじめとした全国各地の小売店で提供されていたポイントで、1962年創業のブルーチップ株式会社が販売促進のために発行していたそう。最盛期には年間200~300億枚が販売されていたそうで、主婦を中心に多くの人々が利用していたといいます。
可視化したポイントの「ブルーチップスタンプ」は今でも使えるのか、そしてその使い道は? ブルーチップ株式会社の土橋さんに話を聞きました。
――誕生のきっかけは?
【土橋さん】 もともと、ブルーチップはアメリカの会社なんです。アメリカで販売促進目的として使われていたシステムを日本にも導入したのが始まりです。現在までにスーパーやドラッグストア、個人商店など、のべ約3万5000店舗のお店で発行されており、今年で60周年の会社になります。
現在はおもにスーパーマーケットなど、お店のカードに付随したポイントカードとして提供しています。ちなみに、神戸では神戸センター街や元町商店街も加盟店ですね。
――なぜ「リス」がロゴマークなのですか?
【土橋さん】 口のなかに食べ物を「溜める」シマリスの特性と、スタンプを「貯める」ということから誕生しました。名前はチップちゃんです。チップちゃんの顔は創業以来ずっと同じですが、グッズを作る際の顔は時代によって徐々に変更しています。
――当時の換算を教えてください。
【土橋さん】 ほとんどが50円=1枚、500円=10枚という換算方法でした。スタンプ増量デーだとさらに増えていました。当時は客単価が500円前後で、視覚に訴える販売促進アイテムとして使用されていましたね。現在はポイントカードになり単位設定を任意でお願いしており、相場は200円で1ポイントです。スタンプの種類も、当時は全国各地でオリジナルのものを提供していました。
――ブルーチップスタンプはどのような存在だったのでしょうか?
【土橋さん】 ブルーチップスタンプはスーパーマーケットなどに訪れるお母さん方に多く利用されており、現在40代後半以上の世代の方のなかにはお母さんに貼らされていたという人も多いと思います(笑)。そのかわりにおもちゃを交換してもらうなど、家事手伝いのひとつとして組み込まれていたのかもしれませんね。