有馬温泉の一晴さんに聞く「芸妓の今」 実は“一見さんOK” Zoomやカフェ展開 白塗りには悩みも | ラジトピ ラジオ関西トピックス

有馬温泉の一晴さんに聞く「芸妓の今」 実は“一見さんOK” Zoomやカフェ展開 白塗りには悩みも

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 そんな有馬芸妓の仕事は、朝8時ごろからはじまるそう。着物に着替えて唄や踊り、お囃子などの稽古に励み、夜はお座敷に上がって芸を披露するといいます。土日や年末年始も仕事であることがほとんどで、時には海外のイベントなどに呼ばれることもあります。

時には海外へも赴く雅な有馬芸妓
時には海外へも赴く雅な有馬芸妓

 白塗りに日本髪、着物という芸妓姿に作りあげるためにかかる時間はおよそ2時間。午後6時からの宴席であれば午後3時頃から身支度に入ります。ちなみに、後ろから見える背中のおしろいも自分で塗ることがほとんど。体の硬い芸妓はきれいに塗ることができず、何度もやり直すこともあるそうです。

 2019年から続くコロナ禍では、芸妓ならではの悩みもあるのだとか。仕事中は日本髪のかつらを被って過ごすため、マスクの紐をかつらより先に耳にかける必要があります。そのため、簡単にマスクをずらすことができません。また、マスクの擦れやムレでおしろいがはがれてくるなど、芸妓のメイクとマスクとの相性はかなり悪いといいます。

 最近では、表情の見えやすい透明なプラスチックマスクを使用したり、対面での接客ではなくリモートで芸妓と触れ合える「ズーム(Zoom)芸妓」という新サービスを開始したりと、芸妓の悩みを解消しつつ、さまざまな客層に楽しんでもらえるよう工夫を凝らしています。

リモートで芸妓とお座敷遊びが楽しめる「ズーム芸妓」サービス
リモートで芸妓とお座敷遊びが楽しめる「ズーム芸妓」サービス

 とはいえ、お仕事終了後も一苦労。毛穴の奥まで入り込むおしろいを落とすため、クレンジングはクリーム状のものを使ってゴシゴシとこすらざるをえないといいます。それでも肌トラブルの少ない有馬芸妓が多い理由は、「やっぱり、有馬温泉のお湯がいいからかな?」とのことでした。

 そんな有馬芸妓は、現在では13人。 一晴さんは「新型コロナの影響でお客さんが減少して大変な時期もありましたが、芸妓は兵庫県内では有馬だけに残っている文化。これからも伝統を残していくために、ぜひ会いに来てもらえたら」と語っていました。

(取材・文=村川千晶)

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