2季ぶりに開幕白星発進のヴィッセル神戸 酒井高徳が語る勝利のポイントは「じれずにやれたこと」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

2季ぶりに開幕白星発進のヴィッセル神戸 酒井高徳が語る勝利のポイントは「じれずにやれたこと」

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 サッカー・Jリーグのヴィッセル神戸は、2月18日、ホーム・ノエビアスタジアム神戸で行われた今シーズンのJ1開幕戦で1-0と勝利し、幸先いいスタートを切った。決勝点を記録したFWジェアン・パトリッキ選手をはじめとする新戦力が奮闘するなど、今後に向けて明るい材料が多い一戦となったが、チームリーダーの一人、元日本代表DF酒井高徳選手は、試合後、「今日(福岡戦)はじれずにやろうということがキーポイントだと思っていた」とコメント。「それがしっかりできて、いい時間帯に得点も取れた。今年は新しい(加入)選手がはじめからも変化を出せるし、途中からも変化を出せる選手がいる。選手層としても非常に期待を感じた試合になったと思う」と、新チームの船出に手応えを感じているようだった。

酒井高徳選手 ※2月19日の公開練習より(写真:ラジオ関西)

 ヴィッセルは開幕戦で、キャプテンのMFアンドレス・イニエスタ選手や昨シーズンの大けがからの復帰を目指すMFセルジ・サンペール選手が不在となっただけでなく、DF菊池流帆選手、DFマテウス・トゥーレル選手、DF飯野七聖選手、DF大﨑玲央選手といった核となる守備的な選手が「少しアクシデントがあった」(吉田孝行監督)として軒並みベンチ外に。新戦力のDF本多勇喜選手が左センターバックに、MF齊藤未月選手がアンカーに、MF井出遥也選手がインサイドハーフに、それぞれ起用されたなかで、堅守・福岡との一戦に挑んだ。

 4日のプレシーズンマッチ・松本山雅FC戦でも見せた4-3-3で試合に入ったヴィッセルだが、前半は苦戦。福岡の右FWに入った紺野和也選手を中心に3-4-3の布陣できた相手に主導権を握られる場面も散見された。それでも、「初戦ということもあって、固くなったり中途半端なことが出てきやすかったりするので、はっきりプレーすることはチームとして徹底した」と、酒井選手。そのディフェンスリーダーとともに、チームは全体で我慢強く戦い、相手に先手を許さなかった。パトリッキ選手のゴールで1点を取った直後にはピンチもあったもののGK前川黛也選手が捨て身のセーブを見せれば、終盤にはDF尾崎優成選手を加えて5バックにして守備を固め、無失点で切り抜けた。「後ろ(守備陣)はどんなに時間がたってもリスクマネジメントと(攻守の)切り替え(を早くして、続けること)は欠かさずにやろうと言っていた。後ろの役割としては、今日は90分通して非常によかった」(酒井選手)。

 酒井選手はチームの開幕戦勝利について、「いいスタートを切ることができたと思うし、勝ちながら修正できるのは非常にポジティブなこと。昨シーズンは勝つまでに10試合以上かかったので、とりあえず1勝できてよかったと思う」と試合後、率直な感想をコメント。「欲を言えば、もっとチャンスを作るシチュエーションを作りたかったが、開幕戦でこういう難しい相手に勝てた、狙い通りに勝てたというのは、チームとして1つの方向に向いているいい証拠」と、ベクトルが一致しての勝利に手ごたえを口にする。一方で、「勝ちながら修正することが非常に大事になると思う。この試合に一喜一憂せず、次の試合に課題や反省をいかしてやっていきたい」と、内容には決して満足せず、高みを目指して気を引き締めることも忘れてはいない。

 個人のパフォーマンスに目を向けると、酒井選手はこの試合で、守備で当たり負けしないフィジカルを随所に発揮。先制点の直前には福岡FWルキアン選手と競り合って自チームにセカンドボールを引き寄せ、攻撃の流れを作った。また、攻撃面でも、サイドからの展開だけでなく、FW武藤嘉紀選手やFW大迫勇也選手、MF山口蛍選手との連係でチャンスを作り、惜しいシュートを放つ場面もあった。ハーフタイムにはウォーミングアップを行うパトリッキ選手とピッチ上でコミュニケーションをとってブラジリアンを活気づければ、自ら得たコーナーキックの際にはサポーターの応援をあおってスタジアムを盛り上げる様子も。プレーでも、その表現力でも、抜群の存在感を披露し、改めて酒井選手がチームに不可欠であることを証明していた。

 ちなみに、チームのファーストゴールを決めるチャンスがあったことについての報道陣からの問いかけに対して、酒井選手は、「珍しくシュートチャンスが何回も来たので……もうあと3節後くらいだったら、あの左足(のシュート)は入っていると思うんだけどな……ちょっと力が入りすぎたね」と、はにかむ様子も。「前に絡んでいくのは、走力も含めてシーズン前から自分のなかで準備してきたことであり、それが形になって出ているのは少しよかったところ。あとはクオリティーの部分と連係の質を全体であわせていければ、もう少し得点も取れると思う。自分をしっかり見つめてやっていきたい」と、チャンスメイクだけでなくゴールにもどん欲な姿勢を示していた。

 試合前日、酒井選手は、「昨年、(横浜F・)マリノスが目の前で優勝したが、試合前後に選手たちが、『優勝を見て動いているのではなく、一試合一試合勝つことが優勝につながっている』と言っていた。あそこまで上り詰めているチームがそういった意気込みで1試合を戦っている、それがマリノスの強みであって、(それにより)結果が出ている。そういったところは、素直に見習わなければいけないところと思う」と、王者の姿をリスペクトするコメントを発信。そのうえで「どんな順位にいようとも、1試合でしっかりすべてを出し切って、結果にこだわってやることが(大事)。今年は良い方向に進んでいけると信じてやりたいと思っているので、まずは開幕戦、しっかりホームで勝つことが、何よりも自分たちの今シーズンの結果につながってくると思う」と、開幕ダッシュと、目の前の1試合に全力を傾ける重要性を口にしていた。

 百戦錬磨の経験をしている元日本代表でもこだわった一戦必勝。自らもチームも厳しく律する背番号24に笑顔が見られる日々が続けば、ヴィッセルは2年前の再来=上位進出も夢ではないはずだ。

酒井高徳選手(左)と吉田孝行監督 ※2月19日の公開練習より(写真:ラジオ関西)

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GOGO!ヴィッセル神戸 | ラジオ関西 | 2023/02/20/月 18:00-18:30

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