スピルバーグ監督 初の自伝的作品を自身で撮影「今までにない耐えがたく奇妙な体験だった」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

スピルバーグ監督 初の自伝的作品を自身で撮影「今までにない耐えがたく奇妙な体験だった」

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 スピルバーグ監督の少年時代をスピルバーグ自身が監督として描く、初の自伝的作品です。さらに2001年の映画『A.I.』以来およそ20年ぶりに脚本を手がけました。映画『フェイブルマンズ』が3月3日(金)、全国ロードショーされます。

 1952年、アメリカ。主人公はサミー・フェイブルマンという名前の少年です。

 ある日、両親に連れられ、生まれて初めて映画館に行きます。サミーはもともと「暗いところなんかイヤだ」と映画を怖がっていました。コンピュータのエンジニアの父親は、映写機の仕組みを冷静に説明しました。ピアニストの母親は「映画は見たら決して忘れないステキな夢なのよ」と優しく言い聞かせました。

 出かけた映画館で上映された映画は「地上最大のショウ」です。サミーは、汽車と乗用車がぶつかるシーンに衝撃を受けます。5歳の少年の心が奪われました。

メイン (映画館で着席する親子3人

 父親におもちゃの汽車を買ってもらい、家で映画の真似をして何度も衝突させました。おもちゃの汽車が壊れます。これを見かねた母親は、夫が持っていた小さな8ミリカメラをサミーに渡し、汽車がぶつかる場面を撮影すればおもちゃは壊れないし何度でも繰り返し見られる、と提案しました。

 サミー少年は「地上最大のショウ」のシーンを再現して自分で撮影します。このフィルムを、自分の手のひらをスクリーン代わりに映写機で写します。サミーはできあがった映像を見て、魔法がかかったように感動します。

 映画に魅せられたサミー。8ミリカメラでいつも遊んでいました。妹たちを役者に見立てて撮影します。トイレットペーパーで妹の体をぐるぐる巻きにしてミイラ男の扮装をさせたり、ケチャップを血のりの代わりにしたりしてポーズをつけ、撮影しました。

サブ1(カメラを構える少年

 サミーがティーンへ成長すると、学校の友だちを誘ってもっと大がかりに作品をつくるようになります。西部劇で拳銃を撃ち合う場面や戦争の映画で兵隊が戦うシーンを夢中になって撮影しました。そのあと自分で編集し、家族や出演した友だちを招いて上映会を行いました。

 サミーはまた、家族旅行やキャンプへ外出するときも8ミリカメラを構えて記録映像を撮り、映画づくりに没頭していました。

 こうした中、サミーの母親の母にあたる祖母が突然、亡くなります。

 父親は悲しみにくれる妻を元気づけるため、サミーに新しい8ミリ用編集機を買ってやります。家族で出かけたキャンプのフィルムを編集し、ホームムービーとしてまとめるよう、サミーに命じます。

 サミーは編集のためフィルムの1コマ1コマを確認する作業の中で、背景に写っていたものに気づき、大きなショックを受けます。

サブ3(自室、編集機の前で2人が肩寄せ合う
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