絆創膏=リバテープって呼んでる人は九州人かも! 「画期的すぎて当初は薬屋に嫌がられた」とメーカー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

絆創膏=リバテープって呼んでる人は九州人かも! 「画期的すぎて当初は薬屋に嫌がられた」とメーカー

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 切り傷やすり傷など、ちょっとしたケガをしたとき応急処置として使う絆創膏。あなたは何と呼んでいますか? 全国的に見ると「絆創膏」や「バンドエイド」という呼び名がポピュラーですが、地域によって呼び名が異なることも。

 ちなみに九州では、熊本県を中心に「リバテープ」と呼ばれています。なぜこのような呼び方が浸透しているのかでしょうか。そしていつ頃から定着したのでしょうか。リバテープの生みの親である『リバテープ製薬株式会社』(本社:熊本市北区)に話を聞きました。

地域によって呼び方が異なる絆創膏(イメージ)

 リバテープ製薬の歴史は、明治10年(1877年)の西南戦争から始まります。激戦となった「田原坂の戦い」において、同社の創始者である星子亀次郎は負傷者を介護していました。その際、薩摩軍の軍医から「傷ついた兵士に役立ててほしい」と、軍秘伝の膏薬(こうやく)の調合方法を伝授されたのがルーツとなりました。亀次郎は薩摩軍から教わった膏薬をベースに、切り傷や神経痛に効く「ほねつぎ膏」を製造し、九州中を行脚しました。当時は湿布などの貼り薬が珍しい時代ということもあり、ほねつぎ膏はとても重宝されたそう。

 時は流れ、1956年。創業者である亀次郎が亡くなり、戦後の混乱もあり売り上げは低下。会社の経営状態が危機を迎えたタイミングで生まれたのがリバテープです。

「リバテープは、当時3代目社長だった義法が開発しました。殺菌効果がある“リバノール液”をつけたガーゼをのせた製品でした。傷口を保護しつつ消毒し、簡単に剥がせる膏薬をベースに、その頃のアメリカ軍が使用していた救急用の包帯を応用しました」(リバテープ製薬)

九州一帯でお馴染みな『リバテープ』(提供=リバテープ製薬)

 リバノール液を浸したガーゼを粘着テープに貼り付けた製品、なので「リバテープ」と名付けられたというわけです。当時としてはかなり画期的なアイテムでしたが、発売当初はなかなか世の中に広がりませんでした。

「その時代の薬屋では、ケガ用の製品としてガーゼ・消毒剤・包帯の3つを販売するのが主流でした。リバテープは1つで3役をこなしてしまいます。必然的に“売り上げが下がってしまう”という理由から、店側から嫌がられたという話も耳にしました」(リバテープ製薬)

 そんな状況に置かれながらも、創業者である亀次郎の「世のため人のために」という精神にもとづき、同社はリバテープの製造方法を公開していたとか。その後、家庭用の常備薬として取り入れられるようになったことでリバテープは全国的に広がっていきます。

当時はまだまだ知られていなかった絆創膏(提供=リバテープ製薬)
LINEで送る

関連記事