【片山さん】 このロボットも、ほぼ100均の材料でできています。使用した材料は以下の通りです。
●毛玉取り機(動力源) 1個
●竹の箸 30本程度
●ストロー 2本程度
●厚紙 適量
●タイルマット 適量
●輪ゴム 3つ
●単3形乾電池(重りとして)1本
――本当に身近な材料で、うまく工夫されているんですね。高価な機材や、専門的な部品を使用せず、100均の材料にこだわる理由を教えてください。
【片山さん】 設計ソフトや3Dプリンターなど高価な機材でも、使いこなす能力さえあれば、100均にこだわらずそっちで作っていると思います(笑)。
他の理由としては、100円均一ショップが身近にあって材料を手に入れやすいことに加え、材料自体もとても使いやすいからです。動力源としてよく使う毛玉取り機やプチ電車は、モーターとスイッチと電源が一つにまとまっている上に、作り方によって使いまわしもできるので特別コスパが良いです。
材料同士はグルーガンで接着するので素早く作れて作り直しも簡単です。竹箸、ストロー、竹串、木製スティック(アイスの棒)、タイルマット、画鋲、輪ゴムなどをうまく使えば簡単にプーリーやリンク機構などを作ることができます。比較的軽量な材料が多いので、1メートルを超える大きなロボットを作ることも可能ですよ。
――医師としての仕事との両立で大変な面はありますか?
【片山さん】 以前は毎日のように作業して週に1、2体のペースでロボットを作り続けていたのですが、最近は制作時間を確保しにくくなったため、常日頃から作品の構想を練っておいて、土日に集中して制作しています。アイディアはあるのに作る時間がないのが悩みといえば悩みです。
作品を作る上でのモチベーションとしては、Twitterの反応が大きいです。以前、プチ電車を使ったチェビシェフリンク機構で動く8脚歩行ロボットを作ったときに、3万以上のいいねをもらった時はうれしかったです。
また昨年は、モノづくりイベントにも初めて出展しました。来場した方に作品を直に見てもらい、いろいろなご感想をいただけたので励みになりました。
――今後の目標や夢はありますか?
【片山さん】 大きな目標としては2つあります。
まずは100均ロボで「陸・海・空」を制覇することです。そのために次は、空飛ぶ毛玉取りロボを作りたいです。進捗はあと一息といえなくもない状況で、うまく飛んだら、手足をつけてロボットと言い張る予定です。なお、水中を泳ぐ毛玉取り「真鯛ロボ」はすでに完成しています。