実は私、白ネギが大好きでして。ある日、4センチほどの長さでぶつ切りにした白ネギをお供にビールでも飲もうかと、ホットプレートを取り出して焼きはじめたんです。
しばらくすると……。えっ、なんで!?
ホットプレートの上に置いた白ネギが、ひとりでにコロコロ、コロコロ……と転がりだしたんです。もちろん、箸で触ったりホットプレートを揺らしたりもしていません。
白ネギが自らコロコロ、コロコロ……? こわっ! この、ものが勝手に動き出すやつ……。そうそう、心霊現象でいうところのポルターガイスト!
じっくり眺めてみると一方向だけでなく、前にコロコロ転がったと思えば、今度は後ろにコロコロ。またもや前にコロコロしつつ、さらに後ろにコロコロと行ったり来たり。……こわ! もしかして、白ネギの祟り!?
このような現象に遭遇したときは、あの人! ということで、大阪公立大学理学部で非常勤講師を務める山田善春先生に話をしてみたところ「ああ、これはポルターガイストではないですね(笑)」と、冷静な回答が即座に返ってきました。
先生いわく、「ホットプレートの熱によって白ネギ内部の水分が沸騰することで蒸気が発生し、それを動力にコロコロと動いているんです。いわば、蒸気機関車と同じような仕組みですね」とのこと。
食い下がるように、私は「でも先生、一方向に動くだけならわかるのですが、前にコロコロ、後ろにコロコロと行ったり来たりするのはなぜなのでしょうか?」と質問を重ねました。
すると、これまた冷静な答えが返ってきました。