【近藤】 そこが一番大きかったのかもしれない。春名くんが自分の話をしてはいけないというルール、「自分の話をせず、相手の話を面白くするのがアナウンサーだ」みたいなところが強かったから、私がいくら春名くんの話を引き出そうとしても、彼は絶対に途中でストッパーをかけてしまう。本当は「もっとこのエピソードの話をしたい」というのは絶対持っているはずやのに、わざわざ出てきて「僕の話は誰も興味ないですよね」と急に下がるので、「今のは何やったの?」みたいなトークが多かったんです。そこに、「言ってよ!」「止めやんでよ」と、だんだんイライラするみたいなところはありましたね。
【春名】 モノを知っている風にしたかったので……。
【近藤】 ハハハ! それはめっちゃ面白い! でも、この1年で変わったよね。
【春名】 普通の26、27歳の男性が、(ラジオでの)キャリアも長い近藤さんとやったらどうなるのかなというのを考えてやっていたのですが、たとえば近藤さんが知らないことを知っているというのは、(近藤さんにも番組にも)プラスにならないことだと思ったので。なので、今は普通にやっている感じです。
【近藤】 これですね、たぶん、彼が変わった1個の大きいところは。それが言えるようになったんだよね。「こういう風に見られたかったんですよね」ということを。誰にもそう言わなかったもん! それで、勝手に自分の中で理想図を作って、接しているところがあったから。私は最初、周りの人に「どんな人ですか?」と、春名くんのことを聞いてみたら、「かっこつけてる」「いきってる」「すかしてる」と聞いたことがあって……。本人はすかしているつもりないんだけど、たぶん、「こうであらないといけない」のを言わないことによって、自分で取り繕ってるから、すかしていたり、かっこつけていたりするように見える、みたいな。でも、今は、「あのとき、すかしてたんですよね」「こう見られたかったんですよね」というのを言えるようになったのが1番大きいし、一緒にしゃべっていて楽しくなった理由かもしれないです。
大衆にウケようとしているラジオは、私は面白くないと思っているから(近藤)
――今はradikoのタイムフリーやPodcastもあり「時間帯が……」という時代じゃないかもしれないですが、月曜日のお昼で、普通だったら落ち着くような時間帯の放送でも、「げっくり」のトークはあえて突っきっていく勢いを感じます。これは意識されているものですか?
【近藤】 それはただただ、沈黙のまま許してくださってるプロデューサーのおかげです!
【春名】 そうです、自由です(笑)。
【近藤】 そうだよ。私、今まで1回も、「いいですか?」「こんな感じ大丈夫ですか?」と確認したことがなくて……(笑)。オープニングをフル無視で30分突っきるのも、エンディングで最後をちゃんと締めないのも、「大丈夫ですか?」と確認を取りに行ったことは、実は1年間のなかで1度もなくて(笑)。自由にやらせてくださってるんです。もちろん番組なので、スタッフさんたちがいろいろとやってくださっているんでしょうけど、そこを私に見せることなく、とりあえず近藤を自由に、そこ(スタジオの席)に座らせてくれているというのは、私はむしろ感謝で。お昼の時間という意識についても、「リスナーさんがいる」「こういう人たちが聞いてるんだろうな」と想像はするのですが、じゃあ「運転しながら仕事中に聞いている人がいるから、その人に向けてしゃべるんだったらこのテンションかな」というのはしないです。「聴いている人がいるな。でも、それは関係なく、私のテンションでしゃべろう」と。それ(番組の進行など)は、春名くんがしてくれているので。

【春名】 いまだに、やっぱり早口すぎたりすると気にしますし。
【近藤】 早口は、私も帰りに聴きながら、「あ、今日は早口すぎたな。来週はやめよう」と思うのですが、結局スタジオに入ると早口になってしまうかも……(笑)。
【春名】 でも、それを言うなら、僕は「こんな放送で大丈夫か?」というのは、常に思っていますよ。2人が楽しくしゃべるのも大事だけど、どこかで「内輪すぎるかな」というのもあるから……。
【近藤】 私は一切ないです! 気にしすぎている、大衆にウケようとしているラジオは、私は面白くないと思っていて。先週の放送を聴いていないとわからない話をしているぐらいの方がラジオは面白くて引き込まれるし、初めて聞いても「この人たちが楽しそうにしてるから、釣られて笑ってるわ」が、私の好きなラジオなので。全員取り込もうとしたら(ウケるのは)絶対無理だと思っています。
◇「げっくり」オープニングトークより





