冬になるとなんだか食べたくなるアイス「雪見だいふく」。2022年には発売40周年を迎え、今もなお老若男女から愛される定番商品です。「アイスは冬に食べてもおいしい」という常識を作ったアイス界の革命児ともいわれる雪見だいふくですが、誕生の背景には意外なストーリーや、とある“噂”が。知られざる誕生秘話について、株式会社ロッテ・マーケティング部アイス企画課の中田さんに話を聞きました。
――「雪見だいふく」はいつ誕生した?
【中田さん】 「雪見だいふく」は1981年に発売しました。当時は冷夏が続いたために夏にアイスが売れず、アイス市場がどんどんと落ち込んでいた時期でした。また、ロッテはアイスメーカーとしては後発の位置づけでした。そこで、私たちがアイス市場で勝負するために、アイス界の常識を覆す「夏ではなく冬に食べる。」をコンセプトにした今までにないユニークなアイスとして生み出したのが「雪見だいふく」です。とはいうものの、実は、雪見だいふくにはその前身となる幻の「わたぼうし」という商品がありました。
――「わたぼうし」……初めて聞きました。
【中田さん】 「わたぼうし」は「雪見だいふく」誕生の前年となる1980年に発売した、バニラアイスをマシュマロで包んだアイスです。雪見だいふくと同様に、当時としては非常にユニークなアイスとして発売当初から大変な人気でした。当時、ロッテがアイス事業を開始してから約10年が経っていたのですが、あっという間にアイス事業のナンバーワン商品となりました。
実はこのわたぼうしは、当時の開発担当が全国の銘菓を買いまわって開発のヒントを探していたなかで出会った、マシュマロで餡を包んだ福岡の「鶴乃子」という和菓子からヒントを得て誕生しています。雪見だいふくの発売40周年を迎えた2022年には、「鶴乃子」を製造する石村萬盛堂さんとコラボした商品も発売することができました。
――販売開始からの40年間で、雪見だいふくにも変化があった?
【中田さん】 商品自体は常に進化し続けています。最近では、2020年にアイス部分を、2021年には餅の部分をリニューアルしています。過去には、四角形のパッケージのものや6個入りの小さいバージョン、さらには学校給食用の商品が販売されていた時期もありました。