同社は掛軸の補修も行っており、最近ではそちらの依頼件数も右肩上がりとのこと。掛け軸は代々受け継がれたものが多く、中にはほったらかしにしてしまっている人も。いざ開けたときに傷んでいることに気付き、駆け込み寺的に声がかかるのだそうだ。
「掛軸に新しく命を吹き込むように補修をしています。製造と修理、ともにできることが我が社の強みです」(野村さん)
「最初は掛軸だけを扱っていたが、所望する顧客もいたため油絵も店に並べるようになった」と野村さんは言う。アートを愛する人へのニーズにできる限り応えたいという気持ちがそこにあった。
さらに近年、情報配信方法を抜本的に変えるために「掛軸塾_日本画、美術、文化、表具」というYouTubeチャンネルを立ち上げた。掛軸はもちろんのこと、日本美術の楽しさを伝える動画を週一回ほどのペースで更新。「日本絵画史 総まとめ」という動画は2万回再生を超え、注目を集めている。
“あなたと美術品との懸け橋になりたい”をコンセプトとする同社。「忙しくなればなるほどアートと触れる機会は減りますが、『日本の美術は面白い』ということを感じてもらえるきっかけになればと願い日々頑張っています」そう野村さんは最後に締めくくった。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2023年3月22日放送回より
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