興味深いのは、1920(大正9)年頃の「乗り心ち(心地)良い神戸行電車」というポスター。神戸市と大阪市の市章を並べ、神戸港を象徴した波と湊川神社の菊水紋、水都大阪を表現する川と葦(難波草・なにわぐさ)を描いた路線図は、シンプルながらも、デザインのセンスの良さが光る。
また、大阪に日本初の公営地下鉄が開通した昭和初期、1935(昭和10)年に1号線(現在の大阪メトロ・御堂筋線)の梅田・難波間開通時の「阪急神戸・南海和歌山市間懸賞レース」は、鉄道アクセスの向上をPRするため、有名俳優が紅白に分かれてレースに出場し、どちらが勝つか、所要時間も含めて予想する企画もあった。
戦前、阪神間を襲った室戸台風(1934年・昭和9年)や阪神大水害(1938年・昭和13年)といった自然災害からの復旧、風水害で亡くなられた方への追悼供養にまつわるポスターもあった。
そして京都方面への延伸(※当初、新京阪鉄道が開通させたが、太平洋戦争中の政府による交通統制によって京阪神急行電鉄の路線として、後の阪急京都線に)を知らせるポスターも興味深い。