JR大阪駅北側、 梅田貨物ヤード跡地の再開発地域の複合商業施設「グランフロント大阪」(大阪市北区大深町)が4月26日、開業10周年を迎えた。
関西の玄関口、大阪・梅田の象徴としてにぎわいを創出してきた。累計の来場者数は4億7千万人に達した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館を余儀なくされた時期を除けば、1日15万人が訪れたことになる。
2024年夏には隣接する再開発地域で大規模な公園を備えた「グラングリーン大阪」も部分開業する。かつての貨物ヤードが、大規模なターミナルとして進化、人が集う「街」はどうあるべきかを追求している。
グランフロント大阪は、まちの中核機能である知的創造拠点「ナレッジキャピタル」、都心の駅直結型としては国内最大級 の約260店舗がそろう「ショップ&レストラン」、「インターコンチネンタルホテル大阪」のほか、うめきた広場やナレッジプ ラザ、水景や庭園などの豊かなパブリックスペースで構成されている。 特に「ナレッジキャピタル」には、企業・研究機関・大学など139の団体が参画しており、新たな価値を生み出す知的交流の場となっている。 これまで87か国から498団体が視察に訪れるなど、世界的にも注目されている。
2011年春、JR大阪駅の大規模リニューアルでドーム型の大屋根が登場した。折しもこの年の3月11日、東日本大震災が起きた。東北のみならず、首都圏は未曽有の大災害に直面し、節電生活が続き、都市のあり方、街のあり方を考え直すことを求められていた。
グランフロント大阪の開発プロジェクトに携わる三菱地所の幹部が、東京から大阪駅に降り立ったのはこの時期だった。「まるでパリのド・ゴール空港だ。かつての大阪駅からは想像もつかない」。