厚生労働省が発表した「令和3年 簡易生命表」によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳。“人生100年時代”と言われ健康維持への関心が高まっていますが、足や爪を気にかけたことはおありでしょうか。
足や爪のトラブルが原因で痛みがあると、出歩くのを厄介に感じたり、痛みをかばうことでさらなる足のトラブルにつながったりすることも。とくに高齢者の場合は周りの気配りも大切です。
そこで今回は、「フットケアサロン Jardin[ハルディン]」(兵庫県芦屋市)の中塚絵美さんに、高齢者に多い足のトラブルやそのケア方法について話を聞きました。
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――高齢者の足のトラブルとして多いのはどのようなことでしょうか?
【中塚絵美さん(以下、中塚さん)】 爪に関するお悩みが多いですね。分厚くなってしまったり変形していたりして、自分では爪が切れないという方も多いです。目が見えにくいなどの事情で、余計に爪切りが困難になることもあるようです。あとは巻き爪や、爪水虫などのお悩みもあります。
――確かに「爪が分厚くて切れない」という悩みをお持ちの方は多いようです。「寝たきりの母の足の爪は、象の鼻のように何層にも分厚くなっていて切るのに苦労した。結局、自分では切ることができず、病院でペンチのような爪切りで切ってもらった」(兵庫県・64歳・女性)という声もありました。
【中塚さん】 そうですね。牡蠣の殻のように何層にもなった爪はとても固くて、自宅でケアするのは大変です。難しい場合は、無理して自分で切ろうとせずに、医療機関の受診や、フットケアサロンで切ることをおすすめします。当サロンでも、爪切りや、分厚くなってしまった爪を専用の機械で削るなどの施術、正しく生えるようにケアする「育爪」や、ワイヤーやプレートを用いた「巻き爪ケア」も行っています。