原物は通常、京都国立博物館で保管されているため見ることはできない。傷みが激しく、2022(令和4)年4月まで6年にわたる大規模修復が施された。
花鳥円文をあしらう巨大な画面に、 金と銀の線で描き出された如来・菩薩・明王など諸尊が端正に描かれ浮かび上がる。日本仏教絵画史上の最高傑作と呼ばれている。
神護寺の谷内弘照貫主は、「模写とはいえ、230年前の江戸時代に光格天皇の勅願で作られた貴重なもの。空海は密教を伝えるために、理解するには難しい経典だけではなく、直接ヴィジュアルに訴えかけて、その世界観を表現したかったに違いない。長きにわたり、神護寺の蔵で大切に保存されていたため状態も良く、開創1200年にふさわしい初公開となった」と話す。
《金銀泥両界大曼荼羅(高雄曼荼羅 江戸模写本)特別公開》~神護寺金堂
■期間 2023年5月9日(火)
■拝観時間 9:00~16:00 ※最終日は午前中まで
■拝観料 1000円(別途・通常拝観料600円が必要)