神戸市兵庫区の北部を流れる石井川。その橋の上には、今春も、ヒラヒラと泳ぐ色とりどりのこいのぼりの様子がありました。川を横断するロープは5本、15匹ずつで、計75匹。毎年、4月の上旬から川の上につるされ、5月中旬頃までこの景色を楽しむことができます。
石井川にこいのぼりをつるす恒例行事は、地元の商店街の人たちが集まる団体「石井笑栄会」が主催し、15年ほど前から行われているようですが、どうしてこのような催しを始めたのでしょうか。同会の会長を務める佐潟さんにお話を聞いてみました。
■はじまりは「捨てられるこいのぼり」を救出するため
きっかけは15年前のこと。近所に住む人たちから、「子どもたちが大きくなっていらなくなったこいのぼりの使い道は何かないか」と相談されたのがきっかけ。捨ててしまうのはもったいない、皆にもう一度みてもらうことはできないか……そう考えた結果、石井川の上に余ったこいのぼりをつるすことを決意したそうです。
■「恒例行事」の裏には苦労も…
ただし、当時のこいのぼりは、大半が雨や風で破れてしまい廃棄に。しかし、「途中で辞めるわけにはいかない」と、減った分は都度、同会が購入し、補てんしています。
特に昨年は、悪天候でほぼすべてが使い物にならなくなってしまい、1匹3000~4000円のこいのぼりを一気に75匹購入することに……。なかなか高額な出費になったといいますが、「地域の住民や子どもたちに楽しんでもらうためだ」と予算をやりくりして費用を捻出し、こいのぼりのにぎわいを継続しています。