目を開けたまま“くしゃみ”で眼球飛び出す ウソみたいな噂の真実を調査 医師「通常は考えられない」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

目を開けたまま“くしゃみ”で眼球飛び出す ウソみたいな噂の真実を調査 医師「通常は考えられない」

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 ここ数日の激しい寒暖差で風邪を引いてしまった筆者。花粉症も相まってくしゃみが止まらない毎日を過ごしていました。さて、くしゃみといえば「くしゃみの際に目を閉じてしまうのは“目玉が飛び出してしまう”のを防ぐため」というウワサを知っていますか? 

 試しに「くしゃみ 目玉が飛び出す」とネット検索すると、豆知識として同様の内容が語られている記事や書籍が多く見つかります。真偽を確かめるべく、JCHO大阪病院耳鼻咽喉科部長の前田陽平先生に話を聞きました。

くしゃみで「目玉が飛び出る」というウワサ。実際にありえるの?

 くしゃみとは鼻の粘膜にゴミやウイルスなど異物が付いて神経が刺激され体外に排出しようとして起こる生理現象です。くしゃみをする時に目を閉じてしまうのは、ほほの筋肉が緊張して上に引っ張られるからなのだそう。

くしゃみは体内に侵入した刺激物を体外に排出する生理現象

 くだんのウワサにまつわる記事では「くしゃみは顔に多くの圧力がかかるので最悪の場合は目玉が飛び出る」「頬の筋肉を上げることにより鼻から空気を逃しやすくするため。目を開けたままくしゃみをすることで鼻から空気が逃げず目玉が半分ほど飛び出す“眼球脱臼”を起こしてしまう」などと記述されています。こういった諸説について前田先生は「完全なデマではないものの目玉が飛び出ると言うには根拠が乏しい」と回答。

「目と鼻の間は薄い骨で隔たれており、鼻の圧力が目に伝わることはありません。ですので、くしゃみで目玉が飛び出すなんて通常では起こらないはずです。“眼球脱臼”という病状については聞いたことがない用語だったので論文を検索しましたが、ほんの数件しか見つかりませんでした。あまり一般的な用語ではないようです」(前田先生)

「くしゃみで目が飛び出ることはまずない」と医師

 しかし前田先生いわく「目と鼻を隔てる薄い骨が折れる“眼窩骨折”をしている場合は強く鼻をかんだりくしゃみをすることで圧力が伝わり、目の周りが腫れた状態になることはある」とのこと。とはいえ眼球は筋肉や靭帯でしっかり支えられており、ちょっとやそっとの衝撃で飛び出すことは無いため日常生活においては必要以上に神経質にならなくてもよいとも。

 鼻をつまみながら鼻息を出そうとすると、目頭のあたりから空気が出ることがありますよね? これについては「目から鼻にかけての涙の通り道である鼻涙管を通して空気が漏れ出ている状態であり、これももちろん目が飛び出ることには繋がりません。ただ、目の感染の原因になったりするのでやらない方がいいでしょう。」と説明。

鼻をつまみながら鼻息を出すと目から空気が出ることがあるが、これは「鼻涙管」から空気が出ている状態
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