「韓国のおにぎりは『悪魔のおにぎり』とも言われている」。韓国料理店を経営するかたわら、レシピ本も出版しているタレントの慶元まさ美が3月9日放送のラジオ番組で、韓国のおにぎり事情を明かした。
日本同様、韓国でもよく食べられている「おにぎり」。韓国語では“握りこぶし”を意味する「チュモク」と“ご飯”という意味の「パプ」を合わせ「チュモクパプ(チュモッパ)」と呼ばれている。日本風のおにぎりとは違い、丸い形で一口サイズになっている事が特徴だ。また具材も日本と違っており、フレークタイプの韓国のりや刻んだたくあん、ゴマを加えたものが定番となっている。韓国料理店では辛い料理と一緒に出される事も多く、その際の味付けは塩やゴマ油などシンプルなものなのだそう。
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何個でも食べられるため「悪魔のおにぎり」とも呼ばれている韓国のおにぎりだが、日本で定番の三角形のおにぎりは韓国で販売されているのだろうか?
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実は、日本風おにぎりは「サムガッキムパプ(三角おにぎり)」として韓国のコンビニでも人気を博しているのだと言う。具材は韓国で好まれるコチュジャンで炒めた肉や、カタクチイワシ&スルメ炒め、ビビンバ+バターツナ、ヨモギの葉+ツナマヨネーズなど日本と異なる食材が使用されており、2XLや3XLといったサイズ表記があるのだとか。
この日本風おにぎりが韓国で販売される前、商品開発の際には日本側と韓国側で意見の食い違いもあったそうだ。そもそも韓国では「冷めた食べ物は売れない」という考えが根本にあり、さらにご飯の中に詰める具材も韓国と日本では大きく異なる。
特に意見が割れたのは“海苔”で、日本でよく知られている海苔と異なり、韓国の海苔は塩や油で味付けされたものが主流。厚さにもムラがあり食感を楽しむものとして使われていたため、韓国の社員は日本風おにぎりにも韓国のりを採用したいと主張したのだとか。
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一方、日本の社員は「日本でヒットしたおにぎりの味」にこだわり、日本の海苔を使用したいと主張。議論の末、味付けは韓国式に、食感は韓国と日本の良い点をミックスした海苔が採用されたという。両国の食に対する熱い意見交換が行われた成果か、三角おにぎりは現在、韓国で大ヒットしているのだそう。
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※ラジオ関西『Clip木曜日』2023年3月9日放送回より