シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。5月14日の放送では、通信制・技能連携校の意義を紹介。埼玉県にある通信制高校技能連携校(フリースクール)、松実高等学園の松井寛学園長、初等部の葛貫庸子校長、そして同学園の顧問を務めるフリーアナウンサーの丸岡いずみさんがゲスト出演し、学園の掲げる理念やモットーについて語った。
松実高等学園は通信制の仕組みを使い、在学中に高校卒業のための勉強をしながら技能を習得することのできる技能連携校。同学園では商業を中心に、さまざまな技能選択ができるという。初等部では小学4年生以上の生徒を受け入れており、全国的にみても数少ないフリースクールであることから生徒は全国各地から集まっているのだそう。
川嶋からの「子どもたちが求めているものに変化はあるのでしょうか?」という問いに、生徒の受け入れを開始した当初は「居場所としての提供」がメインだったと明かした松井学園長。「『先生っていいな、友だちっていいな』という感覚を持ってもらい、学校は楽しい場所だと思ってもらえるだけで十分でした」とコメント。
そして現在、子どもたちはさらに先を見ているそうで、「自分が自立するためにどうしていこう」「こういったことをやりたい」という意欲がどんどん湧いてきていることから「それら(夢や、やりたいこと)をどのようにして出口(卒業)につないでいくか、ということが重要になってきています」と子どもたちの変化について語った。
過去に開催されたシンポジウムで丸岡さんの「不登校」に関する意見を耳にし、松井学園長は「松実高等学園にぴったりだな」と感じたのだそう。その後、丸岡さんの書籍などを通じて改めて「松実高等学校でなにかお力添えをいただけたら、子どもたちにとって必ずプラスになる」と確信。こうして丸岡さんの顧問就任が決まったのだという。
顧問就任後、学園を訪れたという丸岡さん。そのとき感じた思いについて、「のびのびと自由に自分のやりたいことを追求している子どもたちの姿を見て、この学園は本物なんだなと感じた」と振り返った。
通信制を主体としながら、週1日〜5日など登校スタイルを選べるだけでなく、スポーツコースや心理教育コース、SNSコースなど、さまざまな学習スタイルが用意されている。そんな同学園の掲げる理念・モットーについて尋ねてみた。
「学園の教育理念は『自立と共生』です。大学進学というのはあくまでも手段であって、目的は自立となりますので、その自立のための支援であることを大切にしています」(松井学園長)
同学園の卒業式では、教師や子どもたちだけでなく保護者のスピーチも行われるのだそう。丸岡さんも初めて目にする光景だったそうで、「これは本当にすばらしい。泣いていない保護者がいないんです。本当にあった出来事を、保護者の方が自身の言葉で素直にスピーチをしているということは、どんんな答辞よりも私の心に強く響きました」と熱い胸の内を吐露した。