そして鉄道ファンの間では2008年まで三木~厄神間を走っていた三木鉄道も忘れられません。旧駅舎周りはいま「三木鉄道ふれあい館」になっています。かつての駅舎もしっかり保存され、懐かしい写真や資料が展示されています。また昔のままの貨物取扱場からの線路跡は4.8キロメートルの遊歩道になっており、週末はここでサイクルトロッコも運行されています。
「小野」は全国の70パーセントのシェアをもつ「播州そろばん」の産地。関西最大の遊具広場をもつ「ひまわりの丘公園」や、「白雲谷温泉ゆぴか」、そしてソウルフードの「おの恋ホルモン焼きそば」などが有名です。
豊かな流れの加古川を渡ると終点「粟生」。ローマ字表記でも2文字(「AO」)という珍しい駅です。三重県の「津」は漢字・平仮名は1文字ですが、ローマ字は「TSU」と3文字になります。
「粟生」はヨーロッパ風の明るい3社共同駅舎ですが、周辺にはとりたてて何もありません。この駅でJR加古川線と北条鉄道に接続します。3路線とも1時間に1本の運行なので、毎時10分前後に発着時間を合わせ、乗り継ぎ客の便宜を図ります。
この粟生線ですが、長年にわたって利用者数が減少しており、採算面でも課題を抱えています。では、なぜ超赤字路線になったのか考えてみましょう。
(1)まずは沿線ニュータウンの住民の高齢化による人口の減少。
(2)山岳路線で運賃が高く、急行がなく各駅停車で、コロナ以降減便されていること。
(3)起点が三宮ではなく新開地というのが不便。
(4)ゆえにマイカーで神戸市営地下鉄の西神中央駅に出る人も多い。
(5)そして決定打は、神姫バスが、緑が丘などから三宮までの直行バスを出していること。バスの方が乗り替えなしに三宮まで速く、安く行ける。
現在、同路線は毎年10億円を超える赤字に悩まされており、改善の手立てがみえてきません。その理由としては、主にあげられるのは次の3つ。