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■「18年、本心は…」「でも家族の力感じた」将太さん父親・堤敏さん語る
将太さんの父親・敏さんは被害者参加制度のもと、家族5人で検察官の後ろに座り、すべての審理を見守った。
判決を終え、「懲役18年で(被告の男が)許されるものではないし、子どもを殺されてこの判決、とうてい納得できない。しかし、遺族としての気持ちは裁判員、裁判官に十分汲み取っていただけたと思う。男に、どういう判決が言い渡されるか、とても心配だった。法律上、ぎりぎりの決断だったのかも知れない。現状の法制度では最大限だと思う。この判決をどう評価するか、将太本人に聞いてみないとわからない」と話した。
敏さんは「捜査技術の向上で、これから先、未解決とされた事件が解決するケースが増えると思う。犯行時は未成年でも、長期逃亡の末に成人で逮捕される場合もある。最大限の刑罰を与えることがどういう意味を持つのか、(今回の判決が)一石を投じることができたのではないか」と振り返った。
法廷で述べるための意見陳述の準備に、家族は相当な時間を割いた。男が検挙されるまでの10年10か月、必死の思いで情報提供を呼び掛けた。気の遠くなる思いだったが、決して心が折れることはなかった。敏さんは「私がびっくりするほど、家族愛、家族力を見せてくれた」と話した。
遺族代理人の河瀬真弁護士は、司法に携わる立場として、法に則った結論を下す部分と、遺族の悲痛な思いに接するはざまで、もどかしさをぬぐえない。「18年という刑罰が、将太さんの死という重大な結果を少しでも償うことができる期間なのか。決してそうではない。ただ単に少年だから、未熟だから、という理由でむげに刑が減軽されることがなかったのは、ひとつの成果だったと思う」と述べた。