――それでは最後に、瀬尾さん自身が思う鎖樋の魅力を教えてください。
【瀬尾さん】 機能性もありながら、電気などを使わずに、自然の水の流れや音を楽しめるところですね。癒しにもつながると思います。私自身は、たくさんの鎖樋がついた家で育ったのですが、小さいころから縁側でよく眺めていました。不思議と見入ってしまうんですよね。家の中から見ると、外からとはまた違った風流を楽しめるんです。雨が降っていない日でも建物のネックレスのようで……美しい姿が見られると思います。
いかがでしたか? 何気なく目にしていた鎖樋に、「雨を美しく見せる」という役割があったことがおわかりいただけたかと思います。なかなか外に出かけることができず、憂鬱(ゆううつ)になりがちな梅雨の季節ですが、鎖樋があれば、雨の降る日も待ち遠しくなるかもしれませんね!
(取材・文=坂本有伽)