―――名前の由来は?
【担当者】 全国各地の道ばたに生えているタンポポは人々にとって馴染みのある花であり、たとえ踏まれてなくなってもまた生えてくるという特徴を持つ。このことから、商品の耐久性を表すだけでなく、「広く世に知れ渡ってほしい」という思いを込めて名付けられました。
発売当時は今でいうところのブランド名として、各種商品に「タンポポ」という名前を付けていました。現在も清掃用品に「タンポポモップ」という商品があります。
実は以前、弊社のSNSで商品の正式名称が「タンポポマット」であることを投稿したのですが、「見たことはあるけど名前は知らなかった」という驚きの声をたくさんいただいたんです。「たわしマット」と呼んでいた人が多く、見覚えはあっても名前はまったく浸透していなかったようなんです(笑)。
―――どんな場所で使われていた?
【担当者】 本当にいろいろな所で使っていただいていました。民家の玄関や学校など、あらゆる建物で普及していたと思います。「おばあちゃんの家にあった」という人も多いですね。
現在はタンポポマットを敷いている建物も減ったため、見る機会も少なくなったかと思います。
―――現在はどんな人に使われている?
【担当者】 靴に土がつくことのある職業の方には今でも使用していただいており、農業に従事されている地域や建設現場、それらの事務所などで多くみられます。
かつて、タンポポマットが設置されることの多かった学校などでは、ブラシのマットがブロック状になっていて形や大きさを変えることのできる「ナイロンブラッシュ」という商品を使っていただくことが多いです。
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今も人々の生活に役立てられている「タンポポマット」。担当者は「人々の役に立ち続ける限り、商品を提供していきたい。お客様のニーズに寄り添うような形で改良などもできれば」と今後の展望についてもコメント。
人々の記憶に色濃く残っていながら意外と知られていなかった、「タンポポマット」という正式名称。長い歴史を持つがゆえ、今ではあの特徴的なデザインの由来を知る人はいないのだとか。タンポポマットを見かけた際には、デザインに込められた意味を考えてみるのもいいかもしれません。
※ラジオ関西『Clip』2023年7月13日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)