◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
大阪市交通局から2018年に鉄道事業を継承した大阪メトロ(正式には大阪市高速電気軌道株式会社)。民営化されて5年が経過しました。現在8路線で総延長129.9kmとニュートラム路線7.9kmを有しています。路線ごとにラインカラーがあり、稼ぎ頭の御堂筋線は「大阪の大動脈」の赤、谷町線は寺が多いことから高僧の袈裟の色の紫、千日前線は夜の繁華街の下を通るのでネオンをイメージしたピンクなどとなっています。
今回取り上げる中央線は、大阪城公園のそばを通ることから公園の木々をイメージしたグリーンがラインカラーになっています。この中央線は御堂筋線・四つ橋線に次いで歴史が古く、1961(昭和36)年に開業。大阪の中心部・船場を東西に、また中央大通と並行して走ることから「中央線」と名付けられました。
現在は東大阪市の「長田」と大阪南港の「コスモスクエア」の間、約18kmを結んでいますが、近鉄けいはんな線との直通運転により生駒・学研奈良登美ケ丘方面ともつながり、他の7路線すべてと接続しているため、日中でもかなり混んでいます。また2025年開催予定の大阪・関西万博では会場とを結ぶ唯一の鉄道路線であり、地下鉄ながら高架区間が多く車窓からの眺望が楽しめるのも大きな特徴です。
高架区間は西に向けて「阿波座」を出たあたりから始まります。ちなみに、この阿波座は今でこそオフィス街ですが、昔は四国との海上連絡拠点になっていたことからその名がつきました。ちなみになぜここから先が高架になるかというと、海に近くなり浸水の危険を防ぐためだそうです。
木津川を渡り阪神高速16号大阪港線の上りと下りの道路はさまれながら走って「九条」に到着。ここは地下鉄の駅は地上にあるのに、接続する阪神なんば線のホームは逆に地下にあるという面白い構図になっています。またこの「九条」には、万博を見据えて京阪中之島線も延伸してくる予定です。
高さ200メートルを誇る大阪ベイタワーが見えてきたら「弁天町」。ここで大阪環状線と接続します。そしてここの駅は横を走る阪神高速と同じ高さにあるため、地下鉄の駅としては国内で最も地上から高い場所にある駅となります。
「朝潮橋」を過ぎると阪神高速と別れ八幡屋公園が見えてきます。大阪プールに広大な緑地エリア、そしてアリーナを持つこの公園は、かつての大阪国際見本市会場の跡地です。