「セカンドキャリア」や「生涯現役」といった単語を耳にする機会が増えてきた今日このごろ。現在は異業種で活躍する、元フジテレビ社員がラジオ番組に出演し、激動のバブル期を振り返るとともに次代の働き方や仕事への向き合い方について語った。
『セケンテー/ぼくらは囚われない』(ラジオ関西)7月22日放送回に出演したのは、株式会社エイジレスで事業開発マネジャーを務める種田慶郎さん。株式会社フジテレビジョン(以降、フジテレビ)出身で、番組パーソナリティーである田中大貴の先輩にあたる。
種田さんがフジテレビで活躍したのは、1990年代前後のバブル期真っ只中。当時について、「コンプライアンス(法令遵守)という言葉が通じない破茶滅茶な現場。仕事の打ち合わせも、ほとんどがブレスト(休憩)メインだった」と冗談まじりに述べたあと、「そういった遊び感覚も必要。ブレストや無駄話のなかにクリエイティブが潜んでいると思っています」と現在の心境を吐露した。
これには、番組パーソナリティーで連続起業家兼アーティストのCEOセオも同意を示し、「今の時代って、ブレストというか遊びがなくなりましたよね。オンラインでのミーティングなんて、ブレストどころかひたすらにタスクをこなすだけですからね」と本音を漏らした。
テレビ局に入ってよかったこととして、「時代の最先端トレンドに触れることができるし、知名度があることから仕事がやりやすい」という点を挙げた種田さん。フジテレビ退社後には、会社の影響力がなくなったことで自分自身の影響力を知ることとなった。同時に、これまでは出会うことのなかった自身とは異なる職業・考えを持つ人との出会いで「視野の狭さを痛感」したそうで、「自分が会ったことのある人の数はとても少ないんだなと感じましたね」と当時の心境をしみじみと語った。
「テレビ局にいた人間がほかのフィールドで活躍できる能力、テレビ局で培うことのできるスキルとは?」と尋ねられると、「とりあえず考えて、それを恥ずかしげもなく口にすることのできる能力」と回答。
国内最大規模の広告代理店のクリエイターを例に挙げ、「すごいことを思いつくというよりは、『よくそんなことを恥ずかしくもなく言えるな』という人が強い」と前置きしたうえで、「優秀な官僚や銀行員の人とかは、たとえ思いついても『こんなことを言ったら人生が終わる』と思っちゃいますよね。そういったことを余裕で自慢げに言えるという、ものを考えて口にできる能力が一番強いんじゃないかな」と冷静に分析した。
番組後半、話題は種田さんの人生観へと展開。
「今まで社会にまったく貢献せず生きてきたので、残りの半生は世の中のために少しでも役に立ちたいという気持ちが芽生えてきてきました」と本音を打ち明けた種田さん。株式会社エイジレスでも「高齢化が進むなかで社会的にくすぶっている人が多くいるので、そういった人たちや定年退職したあとも働きたいと思っている人たちの背中を押して、国力をあげていきたい」とコメントを残し、番組を締めくくった。
※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2023年7月22日放送回より
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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時:毎週土曜日 20:00~
放送局:ラジオ関西(AM 558KHz / FM 91.1MHz)
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティを務める。