今年、台風や線状降水帯による浸水被害が全国的に多発しています。もし断水・浸水・停電などによりトイレの利用環境が悪化した場合、心身ともに不調をきたし、命の危険があるといいます。災害発生時・発生後のトイレ対策について事前に学んでおくことが大切です。
トイレ業界の最大手TOTO株式会社では、大雨・台風・地震などの災害発生時に「特別対応」として、災害救助法適用地域等でのTOTO製品の「点検無料対応」を行っています。現在も7月7日から大雨災害地域、8月1日から台風6号による災害地域にて実施中です(適用地域、期間はTOTOの公式HPにて掲載)。
自宅が災害に見舞われたときのトイレの利用方法や注意点について、トイレ業界の最大手TOTO株式会社の広報部に聞きました。
ーーTOTOで行っている災害発生時の「点検無料対応」について、教えてください。
「特別対応として、点検(部品交換要否の診断・修理可否の診断)を無料にて実施しています。部品交換や修繕の対応が必要になった場合は有料にて対応いたします。
直近7月の大雨災害において、TOTOメンテナンスで製品を交換した実績は、北陸地方の一部エリアで3件です。TOM(TOTOメンテナンス)点検後に水道工事店などで交換している現場もあると思いますが、そこまでの後追いは実施していないので実態は不明です」
ーー自宅浸水時のトイレ利用の注意点について、教えてください。
「戸建てにおいて1階部分が浸水したときや、マンションの1階部分が浸水したときのいずれの場合も、浸水していない上階のトイレの利用も控えてください。1階までが満水状態となりますので、階上で使用すれば階下であふれ出す可能性があるためです。なお、便器からボコボコ音がする場合や封水が跳ね出るようなことがあれば、逆流の前ぶれと考えます」
ーー断水時のトイレ利用方法について、教えてください。
「もし地震などの災害発生後などは、排水配管が破損していないかを必ずご確認いただき、排水管が破損している場合は、トイレに水を流さないでください。こちらも同様にマンションや自宅の1階部分の排水管が破損している場合、上階のトイレを利用すると、階下であふれ出してしまいますので、要注意です。
便器はタンクに水をためたものを流すタイプと、水道から直接+タンクの水を流すタイプとがございます。双方とも断水時は水が供給されないため、水を流すことができません。そのためバケツを利用して流していただくことになります。
・バケツ1杯分(6~8L程度)の水を、水飛びに注意しながら一気に流しこんで下さい。かなりの水量が必要ですので、事前にお風呂に水を溜めておくことがお勧めです。2L程度の水だと、水量・勢いが足りないため、うまく流れません。
・さらに静かに3~4Lの水を流して下さい。
・排水管の途中に汚物が停滞することを防ぐため、2~3回に一度は、多めの水(10~12L)を流してください。
※タンク式トイレのタンクへ直接水を入れることは避けてください。洗浄不良や詰まりの原因になったり、電気部品が被水し故障の原因となることがあります。
※台風や大雨などの災害の際に、トイレの排水管から水が逆流するケースがあります。その場合は、トイレを使用すると汚物があふれるため、トイレに水を流さないでください。
※オート便器洗浄・オート開閉機能があるウォシュレットをご使用の場合は、それぞれのオート機能を『切り』にしてください。 オート便器洗浄は、断水時間中『切り』のままにしてください」