◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
大阪で唯一の路面区間をもつ阪堺電車。地元の人からは「チン電」として親しまれ、大阪市の南部と堺市内を1世紀以上も走り続けています。現在は阪堺線と上町線の2つの路線を持ちますが、今回は上町線の『天王寺駅前』からスタートして、『住吉』から阪堺線に入り『浜寺駅前』までを紹介します。
高さ300メートルの超高層ビル・あべのハルカスがそびえる始発の『天王寺駅前』は、2016年に単一ホームの新駅舎となりました。ここではJR各線・近鉄南大阪線・大阪メトロ(御堂筋線、谷町線)に接続しています。
次の『阿倍野』までは商業地を通り抜け、ここを過ぎたら路面区間から専用軌道に入ります。
『東天下茶屋』のホーム先には「馬車鉄道跡」の石碑が建っていました。1900年、天王寺~東天下茶屋の軌道内で馬が車両を引っ張ったのが阪堺電車の始まりでした。街の中を歩くと安倍晴明の誕生地に神社があったり、地元の小学校のある場所はかつて観光遊園地だったりなど、面白い発見がいくつもあります。
『姫松』あたりは再び路面区間に。ここには帝塚山マダムご愛用の洋菓子店「ポワール」、和菓子の「福壽堂秀信」などが立ち並びます。また周囲700メートルの万代池は、春は桜の名所としても知られています。ここから『帝塚山4丁目』までは、通りから一歩入ると帝塚山の閑静な高級住宅街がひろがっています。
『住吉』は、『恵美須町』から来る阪堺線との接続駅。急傾斜の太鼓橋でおなじみの住吉大社は、次の『住吉鳥居前』が便利です。